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良い人間になれる確率を3倍上げるための簡単な心理トリック

Gratitude

 

ここんとこ心理学の世界でよく見かけるのが「感謝」のメリットに関する研究であります。

 

 

感謝の気持ちが多いと幸福感が高くなるうえに、運動量貯金が増えたりもするんだそうな。感謝の気持ちには長期的な視点をアップさせる効果があり、結果としていろんなメリットに結びつくみたい。

 

 

ただし感謝の気持ちは、いまいち持続時間が短いのが弱点です。「信頼はなぜ裏切られるのか」などの著作で有名なデイヴィッド・デステノ博士の実験(1)によれば、感謝によって一時的に良い人間にはなれるものの、すぐに感情は消えて元の状態にもどっちゃうとか。

 



 

 

なんとも困ったもんですが、そこで参考になったのが「GIVE & TAKE」でおなじみアダム・グラント教授による2012年論文(2)です。感謝レベルを高める方法を調べるべく、参加者を以下の3グループにわけたんですね。

 

  1. 自分が他人にしてもらったことを3つ記録する
  2. 自分が他人にしてあげたたことを3つ記録する
  3. 何もしない

 

その後、全員に東日本大震災への募金を求めたところ、

 

  • 何もしなかったグループの募金率は13%が
  • 他人にしてもらったことを記録したグループの募金率は21%
  • 他人にしてあげたたことを記録したグループの募金率は46%

 

って結果だったんですな。他人から受けた恩ではなく他人に与えた恩について考えたほうが、良い人間になりやすいんだ、と。

 

 

グラント教授いわく、

 

参加者たちに「自分は他人を気づかえる人間だ!」と思い出させたおかげで、その後も本当に親切な人間になったのだ。

 

とのこと。こっ恥ずかしい話ですが、自分に「俺は親切な人間だ!」と言い聞かせまくったほうがメンタルにはいいみたいですねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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