女性がバキバキの体にするにはどんな食事が理想?体へのダメージはあるの?みたいな研究
男性がバッキバキに体を絞ったらどうなるか?みたいな研究はチラホラあるわけです。なかでもボディビル系の論文には良いものがいくつかあって、
- どれぐらいまでならカロリーを減らしても問題はないの?
- ホルモンバランスに悪影響は出ないの?
- どれぐらいのトレーニングをするのがいいの?
みたいな話にはそれなりのコンセンサスが取れてる状況かと思います。
が、いっぽうでかなり少ないのが「女性はどうなの?」って問題を調べたデータ。そもそもボディビル系の論文があんまりないうえに、女性を対象にしたものはかなりレアなんですな。
なので、「女性が体をバキバキにするには?」みたいな疑問にはなかなか答えづらいのが現状であります。言わずもなが、女性のほうがハードなボディメイクの影響を受けやすいはずなんで、ちょっと気になるテーマなんですよすね。
そんな状況下、超めずらしく「女性のボディビルディング」にマトを絞った論文(R)が出まして、おもしろかったです。
これはユヴァスキュラ大学の研究で、筋トレ歴が2年以上の女性50人が対象。その内訳はと言いますと、
- 27人が約20週間後にボディビルのコンテストに出る
- 23人は体重を維持しつつ普通に筋トレ(コントロール群)
って感じです。この条件で、全員の食事量などを調べつつ、ついでにホルモンバランスの変化などもチェックしていったみたい。
でもって、まずは大きな結果からまとめていくと、
- ボディビルグループは平均で週に0.4kgの減量に成功(体脂肪でいうと週に0.6〜0.7%)
だったそうで、ここらへんはボディビルコンテストの参加者としては当り前の結果でしょう。
続いて、コンテスト参加者のなかでも「もっとも筋肉を落とさずに減量に成功した女性」はどんな暮らし方をしていたかと言いますと、
- 1日の摂取カロリーは体重1kgあたり30±6.3kcal
- 1日のタンパク質量は体重1kgあたり3.1±0.7g、脂肪は0.9±0.3g/kg、糖質は2.1±0.7g/kg
- 筋トレは週4〜5日のペースで、1日おきに鍛える筋肉を変える
- 有酸素運動も週4〜5日のペースで、普通のジョギングにHIITをプラス
みたいになってます。毎日少しずつカロリーを減らして体を絞りながらも、高タンパク食+筋トレで筋肉の減少をふせぐスタイルになっております。ボディメイクのド定番ですね。
ただし、当然ながら激しいダイエットの副作用も起きてまして、
- コントロール群にくらべて、ボディビルに参加したグループの生理不順の発生率は2倍になっていた
- しかも、摂取カロリーを元に戻した後でも28%は生理が完全にもどらなかった(経口避妊薬を飲んでいた人ほど生理不順が元にもどりやすい傾向があった)
とのこと。ボディビルに参加した女性は平均で1日400kcalほどマイナスの暮らしをしてまして、やっぱカロリー制限のダメージは大きいんだなぁ……って印象ですね。
さらに、そのほかのマイナス面もあげておくと、
- リカバリー期間になってもT3ホルモンは完全にもどらなかった
- テストステロンのレベルも完全にはもどらなかった
T3ホルモンにせよテストステロンにせよ、いずれもエネルギーの代謝に大きくかかわるホルモンだったりします。やっぱカロリー制限+激しい運動の組み合わせは代謝にダメージをあたえるみたいですなぁ……。
もちろん、長期的にこのダメージがどこまで悪影響なのかはわからんのですが、個人的には「そこまで無理してバキバキの体にしなくてもいいや…」って思いを新たにしましたねー。