他人と目を合わせるのが苦手で……を解決するにはどうすればいいのか?問題
「相手の目を見て話そう!」ってのはコミュニケーションの基本。過去には当ブログでも、
なんて話を書いております。ここに取り上げてないデータでも、アイコンタクトがうまい人は有能に見えたり、信頼感があるように感じられたりするらしいんですよ。そりゃあ普通に考えれば、目を合わせずにしゃべる人ってうさんくさいですもんね。
が、そうとはわかっていても、実際に相手の目を見て話すのは意外と難しいもんです。特に私のような不安傾向が強い人って、他人と視線を合わせ続けるとなんだかソワソワした気分になっちゃうんですよねぇ。ここらへんは、外向性が高い方には理解しにくいかもですが。
といったところで、「アイコンタクトが苦手だ!」と言うご同輩に役立ちそうなデータ(R)が出ておりました。
これはエディスコーワン大学の論文で、研究者が46人の学生たちに「私と4分だけ雑談をしてください」とお願いしたんだそうな。もちろん研究者と学生はみんな初対面であります。
でもって、ここで研究チームは学生に2つのパターンで接したらしい。
- 半分の学生にはアイコンタクトをたくさんする(総時間の77%)
- 残り半分の学生にはアイコンタクトをひかえ、口元などに視線を向ける(総時間の25%)
その間、研究チームは会話の様子を記録し続けまして、さらにはアイトラッキング眼鏡で学生たちの視線の動きも追跡。そのうえですべての学生たちに、
- 研究者がどれぐらいアイコンタクトをしてたかわかりますか?
と尋ねてみたんだとか。これでなにがわかったのかと言いますと、
- どっちのグループも「同じくらいアイコンタクトがあった」と答えたし、同じように会話を楽しむことができていた
だったんですな。実際にの会話においては、目を見ようが見まいが相手はほとんど気づかないんだ、と。
研究チームは、この現象を「アイコンタクトバイアス」と読んでおります。そのポイントを簡単にまとめると、
- 大半の人は、話し相手がこちらの目を見ているかどうかを見分けられない
- しかし私たちの多くは、相手はこちらのアイコンタクト量を見抜いている、と考えてしまいやすい
- 顔の一部を見ていれば、相手は勝手に「アイコンタクトが取れている」と思い込む
のようになります。研究チームいわく、
今回の発見は、過去のデータとも符合している。特に相手の目を見つめなくても、アイコンタクトとして認識されるのだ。
相手の目を見ようとして疲弊する必要はない。相手の顔のどこかに目を向けるだけでも、向こうにアイコンタクトが起きたかのような幻想を与えることはできる。
とのこと。昔から「アイコンタクトが苦手なら口元を見よ!」とか「眉間を見よ!」みたいなアドバイスがありますけど、これは正しかったわけですな。
そんなわけで、ガッツリと相手から視線をそらすのは問題ですが、とりあえず向こうの顔に首が向いていれば用は足りるみたい。これはアイコンタクトが苦手な私には良いニュースですなぁ……。