2021年1月に読んでおもしろかった5冊の本
「おもしろかった本」に関するエントリを年に2回ずつあげてたんですが、それだけだと良書をいくつも取りこぼすなーってことにブログ運営7年目にして気づきまして(笑、試しに月イチペースでやってみることにしました。
で、今月に趣味で読んだ本は25冊ありまして、なかでもおもしろかったのが以下の5冊でした。
問いこそが答えだ!
「正しい問いを見つけた時点で、すでに答えは見つかっている」みたいなことをよく申しますが、あらためて「良い疑問を思い浮かべること」の大事さをこれでもかと教えてくれる一冊でした。
良問を生むためのメソッドがそこまで紹介されてるわけじゃないんですけど、現代ではどんなに知識があったところで無意味なんで、その重要性を腑落ちさせたい方はお読みになるとよろしいのではないかと。
モテないけど生きてます
当事者研究がブームになって久しい昨今。ついに「モテない男性」の当事者本まで出てきたか!と思わされた一冊。非モテの辛さだけでなく、男性が無意識に行う「加害」の問題にも触れられていて、よろしいのではないでしょうか。
はっきりした解決策があるわけでもないし、そもそも問題の原因がわかるような内容でもないものの、「現代の生きづらさってなんじゃいな?」みたいなとこを考えるうえで好適だし、いま恋愛の悩みがある人はなぐさめになるでしょう。
マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか
人類学者である奥野克巳さんが、ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」と暮らして学んだことを漫画にした一冊。奥野先生の本はどれもおもしろいわけですが、これは漫画になったぶんだけ「人類学のおもしろさ」がギュッと詰まってて良い感じ。原始共産制みたいな社会だと感謝がいらなくなるのか!みたいな驚きを、ページをめくるごとに味わえました。
特に本作は、過去作になかった「仏教的な視点」と狩猟採集社会の類似が提示されてて、どちらも好きな私は激しく勉強させられました。
認知バイアス 心に潜むふしぎな働き
「科学的な適職」でも人間のバイアスについてさんざん書いたように、「バイアスって現代人の基礎教養だよなー」とか思う昨今。認知科学の第一人者である鈴木宏昭先生が、現時点で最先端の知見をわかりやすくまとめてくれてて大変よかったです(とにかく事例のチョイスが上手い)。バイアスの本はたくさん出てますけど、いま最初の一冊として読むならこれでしょうね。
生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来
2015年の本ですが、「人間と情報環境の関係ってどんなんだろうなー」ってあたりに興味があって読みました。本書の要点はタイトルどおり「人間はナチュラル・ボーン・サイボーグなのだ!」というものでして、要するに、人類は生まれつき言葉や文字などの外部装置で機能を拡張してきた存在であり、その視点から人間を見た方が本質がわかりやすいよーって話っすね。「人間ってどういう存在なの?」みたいな疑問をちょっとでも持ったことがある方なら楽しめるんじゃないでしょうか。
その他
ってことで今月は上記5冊が良い感じでしたが、ほかにも以下の本は勉強になりました。では、また来月にでも。