ついネガティブなことを考えちゃう……に一番効きやすい瞑想はどれ?
マインドフルネス瞑想で幸福感が増した!みたいな報告は多いんですが、新しいテスト(R)では、
- どのタイプの瞑想が「思考のグルグル」に効くの?
ってのを調べてくれてて有用でした。ひとくちに瞑想と行っても、「呼吸に集中する瞑想」とか「歩行する瞑想」とかいろんなバージョンがあるんですけど、果たしてメンタルの改善に役立つものはどれなのか?ってことですね。
ここでいう「思考のグルグル」ってのは、専門的には「反すう思考」と呼ばれる現象で、
- 自分のミスを頭の中で何度も繰り返す
- 過去の失敗を脳内で何度も思い出す
- 他人から言われたことを何度も頭で繰り返す
みたいな状態を意味しております。自分では止めたいのに、どうしても脳内をネガティブな思考やイメージがグルグルまわり続けることっすね。
この状態をほっとくと、当然ながら気持ちはどんどん落ち込んでいく上に、嫌な記憶がさらに別の嫌な記憶の呼び水になっちゃったりして完全にドツボ。気持ちがますますネガティブにハマっていき、最後はうつ病まで進むケースが少なくないんですよ。嫌ですねぇ。
で、この研究では、瞑想経験がない64人の成人(平均年齢23歳)を集めて、4つのグループに分けてます。
- マインドフルネス瞑想
- ボディスキャン瞑想
- 思考を観察する瞑想
- 瞑想をしないで読書
マインドフルネスはひたすら呼吸に意識を向け続けるタイプの瞑想。ボディスキャンは身体の感覚に意識を向けていくタプの瞑想。思考を観察する瞑想は、「あ、いま頭に『退屈だ』って思考が浮かんだぞ……」みたいに自分の思考に意識を向けていく感じになります。
各グループは週に1回ずつ60~75分間のミーティングを行いつつ、それぞれの瞑想グループはCDガイド付きの20分間の個人セッションを毎日自宅で実施。瞑想トレーニングを8週間つづけて様子をみたところ、
- どの瞑想も、マインドフルネスのスキルは同じようにアップした
- しかし、もっとも陰鬱な気分を改善し、未来の見通しが前向きになり、反すう思考が良くなったのは「マインドフルネス瞑想」だった
って感じだったそうです。結局のところ、グルグル思考を鎮めるには「呼吸に意識を向ける」タイプの瞑想が一番良いかもしれないんだ、と。
こういう違いが出た理由は不明なんですけど、「呼吸に意識を向ける」タイプの瞑想は、他より「いまここの自分」に集中する要素が大きいんで、そのぶんだけ反すう思考をシャットしやすいんですかねぇ……。そのあたりはまだ謎が多いですけど、「ついネガティブなことを考えちゃうなぁ……」みたいな問題にお悩みの方は、
- とりあえずリラックスして座る
- 目を閉じて、鼻孔に意識を向ける
- 空気が鼻孔を行き来する感覚を意識し続ける
- 鼻孔から意識がそれたら、慌てず鼻孔に戻る
って作業を1日20分ずつ続けてみると良いかもしれませんねー。