【入門編】あらためて「ボディスキャン」のやり方を簡単に説明するよ!
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緊張&不安にはボディスキャンがいい感じ
当ブログではいろんな瞑想法を紹介してますが、なかでも個人的に好きなのが「ボディスキャン」であります。体のパーツに次々と意識を向けながら、緊張をほどいていくタイプの瞑想ですな。なんでボディスキャンが気に入ってるかというと、
- とにかくやってて気持ちいい
- やることが多いのが気分的に楽
の2点がデカい感じ。そもそも「ボディスキャン」ってのは、「漸進的筋弛緩法」という超定番のリラックス技法に近いものがありまして、緊張の緩和効果についてはかなり期待できるんですよ。
なので、このボディスキャンにも落ち着きをもたらす作用がありまして、私のように不安傾向な人や緊張しがちな人には向いてるのではないかと。
ボディスキャンで血圧や心拍数がガッツリと低下
でもって、もうひとつ良いのが「やることが多い」ってポイント。通常の瞑想だと「呼吸に集中する」とか「ただ座る」みたいな話になるわけですが、ボディスキャンの場合は「頭を意識する→鼻を意識する→くちびるを意識する」みたいに次々とタスクが続くんで、非常に飽きづらいんですな。もちろん、そのぶんだけ「集中力アップには不向き」って弱点もあるわけですが、「飽きずにマインドフルネスを鍛えたい!」という方には非常によろしいのではないかと。
では、具体的にどれぐらい研究が進んでるかと言いますと、まだボディスキャンだけに的を絞ったデータは希少です。というのも、いまの瞑想研究って「呼吸瞑想」や「ボディスキャン」を並行して使うケースが多くて、単一の瞑想法だけの効果を特定する作業って意外と行われてないんですな。
その意味ではまだ研究としては浅い感じなんですが、それでもいくつかの良いデータは出てたりもします。たとえば2009年の実験(1)では、48人のヘビースモーカーに10分のボディスキャンを指示したところ、禁煙の禁断症状がやわらいだんだとか。さらに2006年の論文(2)でも、健康な男女にボディスキャンをやってもらったら、血圧や心拍数がガッツリ低下する現象が確認されてたりします。
まぁ研究としては「まだまだこれから!」ってレベルではありますが、もともと定番のリラックス法に似てるだけあって、効果はあるだろうと思う次第です。
カリフォルニア大学式「ボディスキャン」
ってことで、ここからは具体的にボディスキャンの方法を紹介してみます。研究によっていろんな手法があるんですけど、なかでもカリフォルニア大学(3)が使ってる方法が最もベーシックなんで、ちょっとメモしておこうかと。1 実践するペースの目安
だいたい1日20〜45分ずつ、週に3〜6回を行う。ただし慣れない時は1日3〜10分でもちゃんとリラックス効果は得られる。実験ではボディスキャンを行った直後から効果が出ているが、とりあえず最低4週間は続けて様子を見たい。当然ながら多くの実験では、実践する期間が長くなればなるほど良い効果が出ている。
2 具体的な方法
ボディスキャンはイスに座った状態でも、床に横たわった状態でも、どちらでも実践可能。目を閉じても閉じなくてもOK。ポジションが決まったら、以下の手順で体の感覚に意識を向けて行く。各パーツにどれぐらい時間を使うかは、自分なりの判断で決めて問題なし。
- まずは自分の体の重みを感じてみる。イスや床と体がくっつてるところに意識を向け、体の重さを実感する
- 深く息を吸いながら、呼吸の感覚を意識
- 深く息を吐きながら、身体がリラックスする感覚を意識
- 足に意識を向けて、イスや床と足がくっつているところを意識する(重さ、圧迫感、体温など)
- 背中に意識を向けて、イスや床と足がくっつているところを意識する
- 腹部に意識を向けて、どのような感覚があるかをチェック。腹部に緊張感があったら深呼吸してテンションをリリースする
- 手や腕に意識を向けて、どのような感覚があるかをチェック。緊張感があったら深呼吸してテンションをリリースする
- 首に意識を向けて、どのような感覚があるかをチェック。緊張感があったら深呼吸してテンションをリリースする
- アゴに意識を向けて、どのような感覚があるかをチェック。緊張感があったら深呼吸してテンションをリリースする
- 顔全体に意識を向けて、どのような感覚があるかをチェック。緊張感があったら深呼吸してテンションをリリースする
- 最後に全身を意識しながら深呼吸。落ち着いたら目を開く
3 ポイント
以上がボディスキャンの基本ですが、これはあくまで入門編。慣れてきたら、どんどん意識する体のパーツを細かくしていきましょう。具体的には、鼻、右目、左目、くちびる、親指みたいな感じ。さらに細かく行くなら、指と指の間を意識しても構いません。そこらへんは自分で決めた実践時間に従って調整していただければと。
あと、実践中はいろんな思考が浮かび上がるかと思いますが、もし「過去の思い出」とか「未来の計画」みたいなのを考え出したら、淡々と体のパーツに意識をもどしてもらえればOKであります。
また、体のパーツに意識を向けてみると、「何も感じない!」とか「軽く痛い……」とかいろんな感覚を覚えるはず。こちらも「どの感覚が正解」といった話はないんで、どんな感覚があるかを静かに観察しつつ、緊張感があったときだけリリースしていただければ幸いです。