「一目ぼれ」はロマンチックな感情でもなんでもない!というグローニンゲン大学の研究
「ひと目会ったその日から、恋の花咲くこともある」なんて言葉もございますが、近ごろ見た論文(1)では、「一目ぼれって恋心じゃなくてただの肉欲じゃない?」って結論になってておもしろかったです。
これはグローニンゲン大学の研究で、総計396人の男女を対象にしたもの。そのうち60%は女性で、オランダ人とドイツ人がメインであります。
研究では、まず全員に以下のような質問をしております。
- 現在の恋愛の状況
- 相手に何を求めてるか(情熱、親密さ、コミットメントなど)
- 性的な欲求のレベル
- 一目ぼれをどれぐらいしたか?
さらに、参加者をお見合いパーティに参加してもらって、そこで知り合った異性について以下のように質問しております。
- 出会った異性にどれぐらい魅力を感じたか?
- どれぐらい一目ぼれしたか?
- もしくは、他の恋愛感情を抱いたか
って感じで大量のデータを集めて、「一目ぼれってどういう心の状態なのよ?」ってのを分析したんですな。
では、ここで何がわかったかと言いますと、
- 「一目ぼれした!」と言った場合、その人は「情熱」や「親密さ」を抱いていなかった
- 「一目ぼれ」の感情は、異性のルックスと体の魅力度と大きな相関があった
って感じです。要するに、一目ぼれってのはロマンチックな感情でもなんでもなくて、たんに相手の顔と体に反応してるだけじゃないの?ってことですな。
具体的にどんぐらい「一目ぼれ」と「身体の魅力」が相関するかと言いますと、
- 体の魅力度が5点満点で1点上がると、一目ぼれの確率は9倍にはね上がる!
だったらしい。たとえば、体の魅力が「あまり良くない」から「普通」になるだけで、その人は9倍も一目ぼれされやすくなるんだそうな。
研究者いわく、
今回の研究は、俗に「一目ぼれ」と呼ばれる状態が、「情熱的な愛」や「一般的な愛」とのどちらとも違うという事実を示している。
とのこと。といっても、世の中には「私たちは一目ぼれで本当の愛を見つけたの」的な物言いもあるわけですが、これについて研究チームは「作話記憶じゃない?」と言っております。要するに、後から記憶を改ざんして、ただの肉欲を良い思い出に作り変えたんだろうってことですな。
そんなわけで、言われてみれば「そうだろうなぁ」みたいな実験ですが、とりあえず「これは一目ぼれだ!」とか思って暴走しそうになった時の歯止めにはなるかもですな(笑)