スーパー糖質制限の落とし穴その2「体液不足による便秘と肌荒れ」
ちょい前に「スーパー糖質制限をしすぎると慢性疲労につながるかも」って話を書いたら意外と評判がありましたんで、個人的にもう1つ気がかりな「便秘と肌荒れの可能性」について考えてみたく存じます。
腸内の環境には糖質が必要
実際、「糖質制限をしたら便秘になった!」って体験談は非常によく聞く話でして、たいていは「食生活を変えたせいで体がびっくりしたから」って説明がなされるんですが、わたしは別の原因もあるんじゃないかなー?と思ってるんですよね。
というのも、糖質は腸内を整備してくれるムチンの材料になるからなんですよ。ムチンは胃腸や関節を保護してくれる超大事な成分でして、糖とタンパク質をベースに作られております。必要な量のムチンを作るためには結構な量の糖質が必要で、データ(1)だと1日におよそ100〜200Kcalぐらい。
糖質を制限しすぎると、体はタンパク質から糖を生み出すわけですが、この量は1日に270kcalぐらいがリミットでして、どうしてもムチンに糖を回す余裕がなくなっちゃう(他にも脳が糖質を使わなきゃならないんで)。
ここまでの話をまとめると、
- スーパー糖質制限で体内の糖質が少なくなる
- ムチンの生産量が落ちる
- 腸がダメージを受ける
- 便秘!
という経路です。リーキーガットを起こさないためにも、ある程度の糖質は必要なわけですね。
お肌の健康にも糖質は必要
さらにいえば、適度な糖質はヒアルロン酸を作るのにも必須。ご存じのように、お肌の水分を保ってくれる成分でして、1日におよそ5グラムの糖質が必要と言われています(2)。他にも、ムチンは涙や唾液などの材料にもなるんで、体内の糖質が切れた状態が長く続くと、全体的にカラッカラな感じになっていっちゃう可能性が高いんですね。
具体的には、
- 肌荒れ
- 目の乾き
- 目の充血
- 口の渇き
といった症状の原因になりえます。かつて、わたしがスーパー糖質制限を1年ほど試してみたときも、便秘と目の充血には悩まされたもんでして。こういった症状が出てきたら、ひとまず炭水化物の摂取量を増やして、様子を見てみるとよいかと。
まとめ
そんなわけで、スーパー糖質制限で便秘と肌荒れが起きる仕組みについて書いてみました。もちろん、これはあくまで原則論でして、中には糖質ゼロ生活でもお肌がツヤツヤな方もいらっしゃるんで、かなり個人差が大きい話なんだろうとは思います。
ただ、スーパー糖質制限が向いてない人には、結構なダメージを体に受けることにもなりますんで、自分の状態をよく観察しつつ実験してみることをオススメします。それが嫌な方は、「結局、炭水化物は1日にどれだけ食べるのがベストなのか?」でご紹介した、マイルドな糖質制限で止めておくのが無難かと存じます。
credit: The Djudju Beast via FindCC