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ピザを食べ過ぎたらその直後から体にダメージが発生するのか?問題

  

食べ過ぎが体によくないのは常識で、カロリーオーバーの状態が何年も続けばメタボ待ったなしになっちゃうわけです。

 

 

が、ここでまだよくわかってないのは、「食べ過ぎた直後はどうなの?」って問題であります。長期の過食が体に悪いのはわかるけど、そのダメージは食べ過ぎた直後から始まるのか?って問題っすね。

 

 

バース大学の新しい研究(R)はこの問題について調べてくれていて、チームの狙いはこんな感じです。

 

長期的に食べ過ぎが続けば、肥満、2型糖尿病、心疾患リスクなどが高まることは誰でも知っている。しかし、食べすぎた直後に体にどんな変化が起きるのかは、よくわかっていない。

 

ということで、実験では14人の健康な男性(22~37歳)を集めて2パターンの食事をするように指示してます。

 

  1. 限界食い:もう一口も食べられない!というレベルまでピザを食べる
  2. 快適食い:ほどよく満腹になるまでピザを食べる

 

限界を超えるレベルまでピザを食べまくったら、人間の体にはどんな影響が出るのかってとこを調べたわけっすね。かつて「3日ドカ食いしたぐらいじゃ人間は太らない」なんて話がありましたが、今回はさらに短期の影響をチェックしてくれてるのがいいですねー。

 

 

では、おおまかな結果を箇条書きで見てみましょう。

 

  • 限界食いをした場合、だいたいみんな2倍のカロリーを摂取していた(平均3000kcalぐらい)
  • が、限界まで食べても、みんな血流中の栄養素の量は通常の範囲内に保つことができていた
  • 限界まで食べても血糖値は通常の食事より高くならなかったが、 血中のインスリン量は通常より50%高かった(血糖値をコントロールするために体ががんばってる証拠)

  • 血中脂質(中性脂肪と遊離脂肪酸)については、限界まで食べた場合は通常より2倍以上の脂肪を摂取したにもかかわらず、わずかしか高くなっていなかった(過去の研究では、「低~中程度の量の脂肪を摂取したら、血中脂質も比例して増えた!」って報告されてたので、この結果ちょっとおもしろい)

  • 満腹感を高めるために腸から分泌されるホルモン(GLP-1やペプチドYY)は、限界食によって最も変化した

  • 限界まで食べてから4時間後にチェックすると、参加者はだいたい眠気や無気力さを感じており、甘いものだろうが「もう食べたくない!」と報告した(さすがに2倍も食うと別腹もなくなるわけっすね)

 

ということで全体的に見てみると、「人間の体は1回の食べ過ぎについてはかなりうまく対処できる!」と言えそうな結果ですね。通常の2倍ものカロリーを食べても血糖値や脂質レベルは意外なほどノーマルなのは驚きじゃないかと。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の発見は、急激なカロリーの摂取については、私たちの体はとてもうまく対処できることを示した。健康な成人であれば、「満腹」の2倍の量を食べても、巨大な余剰カロリーを効果的に対処することができる。

 

とのことで、やはり人間の体はよくできてるなーって印象っすね。もちろん、だからといって「食べ過ぎは気にするな!」って話じゃないですし、あくまで健康な若い男性をメインにした研究なので、すでにメタボな方や女性、高齢者などへの影響は不明であります。

 

食べ過ぎの主な問題は、あまったカロリーが脂肪の形で体に溜まっていく点にある。しかし、毎日のように食べ過ぎを続けない限りは、たまにビュッフェやクリスマスで過剰なカロリーを摂取しても、健康な人であれば、代謝コントロールがすぐに失われるわけではない。

 

ってことですんで、まぁ1日ぐらいの食べ過ぎならそんなヘコまなくてもいいですよーってことでひとつよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。