運動のパフォーマンスを上げるベストな栄養補給タイミングはこれだ!みたいなレビュー論文のお話
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「運動のパフォーマンスを上げるベストな栄養補給タイミングとは?」を調べた良いレビュー論文(R)が出てました。
サウスカロライナ大学のチームが135の先行研究をまとめたもので、
- スポーツのパフォーマンスを上げるのに最適な栄養摂取タイミングは?
- トレーニングの疲れから効率よく回復するための栄養摂取タイミングは?
っていう2つのポイントについて、質が高めなアドバイスを提示してくれております。
では、ここで挙げられているポイントをまとめてみましょうー。
運動前の栄養摂取タイミングについて
- 運動前の糖質摂取は、筋肉に十分な燃料を確実に供給してパフォーマンスを最適化する目的がメイン。初期の研究では、中程度の強度の有酸素運動を2時間、高強度の有酸素運動を1時間行うと、筋肉のグリコーゲンレベルが最大70%まで低下することが示されている。なので、トレーニングを始める約1時間以内に糖質の摂取量を最大化しとくのが大事。
- 運動前の糖質摂取は、免疫システムを働かせるのにも大事。運動前に糖質をたくさんとっておくと、運動を終えて2時間後の免疫細胞数とIL6(炎症性サイトカイン)への影響が少なくなる
運動中の栄養摂取タイミングについて
- 運動中の糖質摂取は、筋肉と肝臓のグリコーゲン利用を相殺できる。これは、運動持続時間が60分を超える場合や短時間の高負荷運動を行う場合に特に大事になる。
- 糖質の酸化率は運動を始めて75~90分の間に指数関数的に増加するので、この間に糖質をとっておくのが超重要。ここでグルコースだけを使うと酸化率は1g/分になるけど、いろんなタイプの糖質を摂取すると取り込み能力が増加する(ブドウ糖に果糖も加えてみたりとか)。
- 大量の糖質を一気に取るとお腹を壊すかもなので、タンパク質と一緒に飲んでみるのもあり。
運動後の栄養摂取タイミングについて
- 運動後はストレスホルモンの増加が起きて、筋肉の分解がスタートする。なので、運動後に糖質やタンパク質をとっておくと、コルチゾールが減少し、悪影響を防ぐことができる。
- ただし、運動の直後にタンパク質をとったところで、筋肉の発達とは関係がないとするデータは多く、タイミングよりも結局は総摂取量のほうが大事かも。
- まぁ一般人が運動後のタンパク質を心がける意味はないかもだけど、多少なりともメリットがありそうならやっておいても損はないかも。
栄養摂取のモデルケース
ってことで、以上の話をふまえたうえで研究チームは、「こんな風に糖質やらタンパク質をとってみたら?」というモデルケースを提示してくれてます。具体的にはこんな感じ。
- 体重75kgのアスリートが1日2回のトレーニングをする場合を想定
- 7:00 (朝食)= タンパク質20g、糖質75〜90g、脂質10g未満
- 9:00(コンディショニング) = 糖質40〜60g
- 11:00(トレーニング前) = タンパク質20〜3g、糖質75〜100g、脂質10g未満
- 13:00(昼食) = タンパク質20〜30g、糖質60〜80g、脂質20〜30g
- 16:00(2回目のトレーニング前) = タンパク質20g、糖質75〜90g、脂質10g未満
- 17:00(トレーニング中) = 糖質60〜90g、脂質10g未満
- 18:30(2回目のトレーニング後)=タンパク質20〜30g、糖質60〜90g、脂質10g未満
- 21:00(夕食)=タンパク質25〜30g、糖質80g、脂質20〜30g
- 22:30(就寝前)=タンパク質20g
あくまで1日に2回もトレーニングするアスリートの場合なんで、一般人はここまで細かく栄養摂取を心がける必要もないとは思いますが、徹底的にやりたい人は参考にしてもいいでしょう。あと言わずもがなですけど、これは体重75kgの人に特化したパターンなので、体重によってカロリー量と三大栄養素のバランスを変えていくことはお忘れなく。