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筋トレに役立ちそうなデータいろいろ:ビタミンDと筋肉量、ステビアと食欲、高タンパクを急に減らしたらどうなる?

 

「過去に類似の話を紹介したけど、さらに追試で効果が確認されたので無視するのももったいないケース」をまとめて取り上げてみる」シリーズです。今回は「筋トレに役立ちそうなデータ」を3つほど、すごーくざっくりとまとめてお送りしまーす。

 

 

ビタミンDでアスリートの能力が上がる?

毎度おなじみビタミンDに、「アスリートのパフォーマンスを上げてくれるかも?」みたいな報告(R)が出ておりました。

 

 

これは19人のスイマーを対象にした研究で、夏の終わりごろにみんなを集めて、

 

  1. 1日 5000 IU のビタミン D3を飲む
  2. 毎日プラセボを飲む

 

って作業を12 週間毎日続けてもらったそうな。そのうえで、みんなにいつもと同じように筋トレ、ランニング、プライオメトリクスなどのトレーニングをしてもらったら、以下のような違いになりました。

 

  • スクワット、デッドリフト、垂直跳びの成績は、ビタミンD3を飲んだグループのほうが上昇した
  • ベンチプレス、立ち幅跳び、ディップス、懸垂の成績は両グループで有意差はなかった
  • 体脂肪率は、ビタミンD3群で6.2ポイント、プラセボ群で4ポイント低下した
  • 筋肉はビタミンD3群が13.6%増加したが、プラセボ群にはほとんど変化がなかった

 

ということで、もしかするとビタミンDサプリは、アスリートの筋力&パワーパフォーマンス、体組成を改善してくれるかもしれないらしい。まぁあり得るかもしんないですね。

 

 

といっても、1日5000IUってのは一般的な推奨量をかなり超えてるんで、これをお読みの皆さんにはおすすめはしません。ビタミンDが大事なのは確実なんで、1日1000〜3000ぐらいにとどめておくのが良いかと思う次第です。

 

 

 

ステビアで食欲がコントロールできる?

人工甘味料というと悪いもののようなイメージもありますが、現時点では目立った悪影響が確認されてないのが現状。どころか、体重を減らす役にたつのでは?みたいな話もあるほどなんですよね。

 

 

で、新しく出たデータ(R)は、ステビアは人体にどんな影響を与えるのか?ってのを調べてます。安全性が高い甘味料として、私もたまーに使ってるプロダクトですね。

 

 

まず実験デザインを軽くまとめると、

 

  1. 20人の健康な成人を集めて、以下の5つのドリンクを異なる日に飲んでもらう

  2. 330mLの水、40gのブドウ糖、40gのショ糖、40gのマルトデキストリン、240ppmのステビア

  3. ドリンクを飲んでから30分後に、参加者に好きなように昼食を食べてもらう

 

みたいになってます。普通の糖とステビアを比べたときに、食欲などにどんな違いが出るのかを調べたわけっすね。

 

 

で、以下に結果です。

 

  • 昼食の摂取量が一番多いのは、水を飲んだ場合だった(水はカロリーがないので当然でしょうな)

  • ステビアを飲んだ場合の昼食の摂取量は、他の糖質をとった場合と変わらなかった

  • 最終的には、ステビアを飲んだ場合の昼食の摂取量が、他の条件とくらべて平均で100kcalほど少なかった

 

ということで、この実験をみる限りは、「ステビアを飲むと食欲が減り、血糖値を急上昇させずに総摂取カロリーを減らせる」って気がしてくるわけです。もちろん、長期的にステビアの効果が続くかは謎ですけど、減量期のトレーニーが食欲をコントロールするために使うのはありかもしんないですねー。

 

 

 

高タンパク食の人が急にタンパク質を減らしたらどうなるか?

筋肉量を保つために体重1kgあたり1.6gのタンパク質をとるようにしているわたくし。だいたいどのデータを見ても、筋肉量を最大化するためには1日のタンパク質摂取量は1.6~2.2g/kgぐらいにしとけば問題ない!って結果が出てるもんですから。

 

 

ただし、ガチの筋トレ好きは、これよりも多めなタンパク質をとってる人も少なくないはず。体重1kgあたり3gのタンパク質を取ろう!みたいなアドバイスも普通に聞きますしね。

 

 

では、普段から高タンパク食を続けている人が、急にタンパク質の摂取量を減らしたらどうなるの?ってことで、そのへんを調べたデータ(R)が出ておりました。

 

 

これは5人の男性を対象にしたクロスオーバー試験で、普段のタンパク質の摂取量が1.9~3.0g/kg/日の人だけを選んだそうな。これはかなりの高タンパク食っすね。

 

 

実験では、全員に2パターンの食事を実践してもらいまして、

 

  1. タンパク質が2.2g/kg/日の食事をする
  2. タンパク質が1.2g/kg/日の食事をする

 

って感じで、どちらの食事をしている期間中も、1日おきに筋トレをするように指示したらしい。そこでどんな結果が出たかと言いますと、

 

  • タンパク質を1.2g/kg/日に変えた直後は筋肉の合成が減る可能性が出た
  • ただし、3〜5日までには目立った問題がなくなった

 

という感じだったそうで、普段からめちゃくちゃタンパク質を食べてる人は、急激に摂取量を減らしても1週間ぐらいで体が適応するみたいっすね。うーん、人間の体はすごい。

 

 

まぁそうは言っても1日1.2g/kgのタンパク質ってのは少ないので、私としては今後も1日1.6g/kgを目指していくつもりですが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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