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なんで「健康的な食事をしよう!」と思っても長続きしないの?

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なんで健康的な食生活は長続きしないの?」って疑問に挑んだ研究(1)がおもしろかったんでメモ。「コーラに“ノー”? ケールに“イエス”?」というダジャレ混じりなタイトルの論文ですが、かなーり大事なポイント指摘してるかと思います。

 

 

セルフコントロール能力が高い人は 何が違うのか?

こればベイラー大学の実験で、542名の男女を対象にしたもの。全員に「これから健康的なダイエットプランを立ててもらいます!」と指示をだし、全員を以下の2グループにわけまして。

 

  • OKグループ:新たなダイエットのために、もっと食べるべき健康的な食品をリストアップする
  • NGグループ:新たなダイエットのために、食べるのを止めるべき不健康な食品をリストアップする

 

そのうえで、みんなのセルフコントロール能力のレベルをテストでチェックしたんだそうな。セルフコントロール能力が高いほどダイエットに成功しやすいのは当然ですが、それでは「具体的には行動がどう違うの?」ってあたりを確かめたんですな。

 



 

セルフコントロール能力が高い人は実は自分に甘い

すると、かなりハッキリした差が出まして、

 

  • OKグループ
    • セルフコントロール高:いくら健康的でも自分の好みに合わない食品は食べない
    • セルフコントロール低:自分の好みに合わないけど健康的な食品なら食べようとする
  • NGグループ
    • セルフコントロール高:不健康でも自分が好きな食品はちゃんと食べる
    • セルフコントロール低:どんなに好きな食品でも、健康に悪いものは食べない

 

みたいな感じだったんですね。セルフコントロール能力が高いひとは、いくらブロッコリーが体にいいとわかっていても、心から嫌いならダイエット中でも絶対に食べようとはしないんだ、と。

 

 

ぱっと見は、なんだか「セルフコントロール能力が高い人のほうが自分に甘いんじゃない?」と思っちゃいそうですが、研究者によれば、そここそがダイエット成功のポイントなんだそうな。

 

セルフコントロール能力が高い人は、無意識のうちに「よりラクな方法」を選ぶ態度を育んでいるようだ。

 

セルフコントロールができる人たちは、たんに意志の力が強いわけではなく、ちゃんとゴールを達成しやすいように自然と目標を調整しているんだ、と。ダイエットのみならず、いろんなジャンルに当てはまりそうな話ですな。

 

 

あまりに好きな食品はNGにしないほうがいい

いっぽうでセルフコントロールができない人たちの特徴は、

 

自分の健康に関するプランを立てるとき、セルフコントロール能力が低い人は「自分がもっとも好きな食品ほど避ける」作戦を選びがちだ。

 

とのこと。 たとえばポテチはダイエットの大敵ですが、「でもポテチがないと生きていけない!」ってぐらい好きなら、逆にNG食品にしないほうが減量に成功しやすいわけですな。

 

ダイエット中のNG食品を選ぶときには、不健康さだけに注目するとうまくいかないだろう。同時に、自分の好みも考慮に入れるべきだ。

  

実際、「最強のダイエット法は『自分が長く続けられるもの』だ」とはよく聞く話。セルフコントロール能力が高い人は、無意識のうちにダイエットが長く続く方向へ自分を誘導してるんですね。

 

 

そんなわけで、健康的な食事のプランを立てるときは、自分が愛する食品まではNGにしないほうが吉。「全体の2割ぐらいなら好きなものを食べよう!」ってぐらいの気持ちで計画していくとよさげです。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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