緑茶が甲状腺ホルモンによくない!はどこまで心配すべきか
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/07/blog-post_24.html?m=0
緑茶と甲状腺についてのご質問をいただきました。
いつも楽しく読んでます。鈴木さんはよく緑茶のダイエット効果を書かれてますが、緑茶には甲状腺によくない作用があるという話を聞きました。私は甲状腺が弱い傾向があって心配なのですが、緑茶は避けたほうがよいでしょうか?
とのこと。確かに、緑茶は甲状腺によくない!って話はたまに聞きますねー。
緑茶が甲状腺によくない可能性は意外と高い
ざっくりおさらいすると、甲状腺は細胞の代謝にたいせつなホルモンを出す器官。ここに異常が起きると、体は脂肪を燃やさなくなるわ、エネルギーも足りなくなるわで、ガッツリと元気がなくなっていくんですな。実際、2013年の調査(1)でも、甲状腺ホルモンが少ない人ほどBMIが高く、筋肉間脂肪と肝臓脂肪が多かったってデータも出てたりとか。それぐらいヒトの代謝にとって大事な器官なんですね。
で、「緑茶が甲状腺によくないんじゃない?」と思わせるデータもあるにはあります。たとえば、
- 体重1kgあたり10/20/30mgの緑茶カテキンをマウスに投与したら、量に比例して甲状腺ホルモンが減った(2013年,2)
- マウスに大量の緑茶抽出液を投与したら、甲状腺がふくらみ、血中のホルモン量が減った(2010年,3)
みたいな感じ。どうも緑茶が甲状腺によくない可能性もありえなくはなさそうなんですな。
いまのとこマウス実験ばかりなので断定しづらい
こういった現象が起きるのは、緑茶のポリフェノールに、甲状腺ホルモンに関わる酵素を混乱させる作用があるから。ご存じのとおり、緑茶のポリフェノールは高い抗酸化力を持ったすばらしい成分なんですが、いっぽうではデメリットもあるのかも。ただし、だからといって「緑茶はヤバい!」って話にはなりませんで、
- いまのところ悪影響を示したのはマウス実験ばっかり
- そもそもマウスはヒトよりも甲状腺が弱いことがわかっている
ってのが大事なポイントかと。要するに、まだヒトへの影響はよくわからないって話です。どうもすみませんねぇ。
もっとも、いっぽうで「緑茶が体に良い!」ってデータも山ほどありまして、健康飲料としてかなり信頼性が高いのは間違いないところ。よしんば甲状腺によくないとしても、その影響はゼロに近いんじゃないんかなーという気がします。
まぁ甲状腺が弱いのが心配ということなので、1日に2〜3杯ぐらいにしとけば、何の問題もないんじゃないでしょうか。どうぞよしなに。