大量の砂糖を8日間食べ続けたら、カラダにどんな悪影響が出るの?
砂糖のとりすぎで慢性炎症が起きる?
近ごろは「砂糖は万病の元だ!」みたいな意見を見かけることが増えてきました。ちょっと検索しただけでも、「万病の元?白砂糖のとりすぎはこんなに危険らしい」みたいなまとめサイトが出てきたりして、なかなか恐ろしいことになっております。最近も「あまくない砂糖の話」なんて映画も公開されてましたね。
この説はおもに観察研究やマウス実験をもとにしてまして、「糖をたくさんとると慢性炎症が起きる!」ってデータがやたら多いんですよ。言わずもがな、慢性炎症は老化の大きな原因のひとつですから、「砂糖は悪!」って説が出てくるのも納得であります。
もっとも、この説については、まだ人間を対象にしたデータが少ないのが難点。もうちょい情報がほしいなーと思ってたら、近ごろいい感じの論文(1)が出ておりました。
これはワシントン大学の実験で、24名の男女を対象にしたもの。年齢は18〜65才で、いろんな体型の参加者をそろえたらしい。
実験では、以下の3パターンの糖が入ったドリンクを8日ごとに飲んでもらったらしい。
- ブドウ糖:カラダの細胞が燃料に使う糖。筋肉や肝臓にもグリコーゲンとして貯蔵されている。
- 果糖:フルーツとか野菜によくはいってる糖。細胞が使えないので、肝臓でブドウ糖に変換される。
- 果糖ブドウ糖液糖:甘みが強いのでよくお菓子に使われる。55%が果糖、42%がブドウ糖でできている。
それぞれのドリンクのカロリーは、参加者が1日に必要なカロリーの25%ぐらい。なかなかの量ですねぇ。
大量の精製糖を飲んでも悪影響が出なかった
で、参加者は8日ごとに血液検査を受けて、
- C反応性タンパク(CRP)
- インターロイキン6(IL-6)
- ゾヌリン
- リポ多糖結合タンパク質(LBP)
なんかの量を調べるしたんですね。CRPとIL-6は体内の炎症レベルを示す重要なマーカーで、ゾヌリンとLBPはリーキーガットが起きてないかどうかを調べるためにチェックしたみたい。
その結果をさくっとお伝えしますと、
- どのドリンクを飲んでも、参加者の炎症レベルは特に上がらなかった
- リーキーガットが起きた様子も見られなかった
って感じ。どうやら、結構な量の精製糖を飲んでも目立ったダメージは起きなかったみたい。おもしろいもんですねぇ。
この結果を過去の実験と照らしあわせてみると、
- 31名の参加者に大量の果糖とブドウ糖を10週間ほど飲んでもらったが、とくに炎症レベルは増加しなかった。ただし、体脂肪が増えた参加者は、炎症をもたらす物質 (PAI-1と MCP-1)の量が増えていた(2011年,2)
- 20名の参加者に大量の果糖とブドウ糖を4週間ほど飲んでもらったが、とくに体脂肪は増えず炎症レベルには影響がなかった(2014年,3)
ってデータがあるのがおもしろいところ。どういうことかというと、
- 砂糖を大量にとっても慢性炎症は起きない
- ただし体脂肪が増えると慢性炎症が起きる
ってことでして、おそらく砂糖そのものに害があるわけじゃなく、あくまで悪いのはカロリーオーバーなんじゃなかろうか、と。要するに、
- 砂糖が入った食品にはうまい物が多い
- うまいからつい食べ過ぎて太る
- 炎症が起きる!
という当たり前の話なんですが、そのせいで砂糖が必要以上に悪玉に見えてしまうのかなーと思っております。
もちろん、長期的に大量の砂糖を食べるのは問題がありましょうが、数日のレベルなら心配する必要はなさそう。そこまで砂糖を悪玉にしなくてもよさげです。