他人のウソを見抜くにはなんだかんだで「直感が最強」説
他人のウソを見抜くには?
当ブログでは 「他人のウソを見抜く方法」みたいな話をたまに取り上げてるんですけど、デンバー大学の論文(1)は、「結局は直感がベストなんじゃない?」って結論になってておもしろいです。
これは72人の学生を対象にした実験でして、まずは、
- 会話中にウソをついてる人の動画を6人分見せる
- 会話中にウソをついてない人の動画を6人分見せる
ってパターンに分類。そのうえで、誰がウソをついているのかを判断してもらったところ、正解率はほぼ半分だったそうな。
瞬間的に他人のウソを判断させた
このあたりは、エキスパートでもコイン投げと同じ精度でしかウソを見抜けないっていう以前の結果と同じなんですが、おもしろいのはここから。続いて研究チームは、こんな実験をしたんですよ。
- さっきの動画に出てきた12人の顔写真を、それぞれ17ミリ秒ずつ参加者に見せる
- その後で、すぐに「正直」や「デタラメ」といった単語を画面に表示
- 「正直」や「デタラメ」といった単語が、顔写真の人物にふさわしいかどうかを瞬間的に判断
ってことで、それぞれの人物がウソつきかどうかを、ほとんど無意識に近い状態で判別させたわけですな。
人間には無意識のウソ発見器が備わっている
すると今度はハッキリした違いが出まして、その人が正直者かどうかを判断する時間が短かった人ほど、ウソを見抜く確率が上がったんですよ。研究者いわく、
多くの哺乳類は、生存と生殖の確率を高めるために、ウソをつく能力とウソを見抜く能力を同時に進化させてきた。(中略)
人間は意識的に他人のウソを見抜くことはできないが、ある程度の無意識下では、ウソを見抜く感覚が備わっているのかもしれない。
とのこと。人間は進化の過程で「無意識のウソ発見器」を備えたのではないか?って説ですね。ちょっと実験デザインがゆるい研究ではありますが(顔写真を判断したときの時間の判定が恣意的な感じがする)、ありそうな話ですなぁ。
また、いちおう2009年にも似たような実験(2)が行われていて、「ガッツリ意識を集中してウソを見抜こうとするよりも、作業の片手間にウソを見抜くほうが正解率は上がる」って結論も出てたりします。それなりに可能性が高い説だとは言えるのかも。
まとめ
ってことでウソを見抜かにゃいけないような場面では、
- 相手と話しながら、あえて認知機能に負担をかける(頭のなかで数独を解いたりとか)
- 認知機能が低下したところで、「片手間で」相手の話をボンヤリ聞く
- ボンヤリした印象のまま、相手がウソつきかどうかを判断
みたいなステップを踏んでみるといいかもしれません。まぁ私の場合は、とりあえず相手を完全に信じておいて、もし裏切られたら後で報復って方法を採用してるんで、あんまウソを見抜こうとは思わないのですが。