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自然音を聞くと注意力が最適化される!かもよ

Nature

 

 自然音でヒトの脳はどう変わる?

自然のリラックス効果が凄い!」 みたいな話をよく書いてまして、森や海の写真を見るだけでもストレスが減るってデータもあったりするわけです。

 

 

で、新しい論文(1)では「自然音だけでもかなり効く!」って結論になっててよろしゅうございました。

 

 

これはサセックス大学の実験で、まずは参加者に対して、

 

  1. 自然音(風の音とか虫や鳥の声とか)
  2. 人工音(車やオフィスの音とか)

 

という2パータンの音声を5分25秒ずつ聞いてもらったんですね。そのうえで全員の脳をスキャン&リラックス度を計測(心拍変動を使用)したんだそうな。

 



ストレスフルな人ほど自然音のメリットは大きい

それでどんな違いが出たかというと、

 

  • 自然音を聞いた者はリラクゼーション反応が起きた(副交感神経が活発化した)
  • 実験前にストレスを感じていた人ほど、自然音のリラックス効果は大きかった

 

みたいな感じ。ストレスフルな人ほど恩恵を受けやすいってことなんで、イライラ気味な方は、ぜひ自然音を試していただきたいところです。

 

 

自然音でストレスが増すケースもある

が、ここでちょっと面白いのが、

 

  • 実験前にリラックスしていた人の場合は、自然音で逆にストレス度が上がった

 

みたいな結果も出てるんですな。その人の状態によって自然音の作用は違ってくるみたい。

 

 

といっても、これは「リラックスしてる人は自然音を聞くな!」って話ではありません。というのも、この実験では、すべての参加者に「注意力テスト」も行っていて、次のような結果が出たんですよ。

 

  • 自然音を聞くと、全体的に集中力が高まる傾向があった
  • 逆に人工音では、注意力が内向きになった

 

なんでも、自然音を聞いた参加者は注意力が外の環境に向かうようになり、集中をキープする能力が高まったんだそうな。

 

 

いっぽうで人工音は注意が自分の内面に向かって、過去の記憶や未来の不安にとらわれやすい状態になったとか。いわゆる、当ブログで「鬱の原因」としておなじみの「反すう思考」ですね。

 

 

自然音で注意力が最適化されてるの…かも

ここから考えられるのは、「自然音って注意力の最適化に効くんじゃないの?」ってことです。ストレスで心がバキバキになりすぎず、かといってリラックスしすぎて体がゆるみすぎない、ほどほどのラインに調整してくれるんじゃないか、と。おもしろいですねぇ。

 

 

作業中のBGMはよくないよって話は何度か書いてますが、自然音を流すぐらいなら注意力にはいいのかもですなー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。