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筋トレお役立ちデータいろいろ:筋トレは3週間サボっても平気? フルスクワットの効果とは? 可変筋トレの効果?

 

「過去に類似の話を紹介したけど、さらに追試で効果が確認されたので無視するのももったいないケース」をまとめて取り上げてみる」シリーズです。今回は「筋トレに役立ちそうなデータ」を3つほど、すごーくざっくりとまとめてお送りしまーす。

 

筋トレは3週間サボっても平気?説

その昔、「筋トレは意外とサボっても平気だよねー」みたいな話を書きましたが、その続報みたいなデータ(R)が出ておりました。

 

 

この研究では、トレーニングの経験がない14名の被験者を集めて、

 

  1. 断続的にトレーニングする:6週間連続で週3ずつの筋トレ→3週間の休み期間をもうけるのサイクルを3回繰り返す

  2. 継続的にトレーニングする:24週連続で週3ずつの筋トレをする

 

ってパターンのどっちかに割り振ったんだそうな。両グループともベンチプレスを週3日ずつ行い、負荷は1RMの75%で10回を3セットずつ。トレーニングの負荷は3週間ごとに調整し、被験者が最後のセットで12レップス以上を実行できるようになったら重りを増やしたとのこと。

 

 

で、24週間後に筋肉の大きさと筋力を測定したところ、

 

  • 最終的な筋肉量と筋力はどっちも同じぐらいに落ち着いた!

 

って結果だったんですよ。もちろん、断続グループは休息時には筋肉が落ちたものの、トレーニングを再開したらすぐに筋肉の発達が増加して、最終的には継続グループに追いついちゃったんですな。うーん、すごい。

 

 

まぁこれはあくまで「初心者トレーニー」を対象にした実験なんで、何年も筋トレしてる人に「3週間トレーニングを休んでも大丈夫だよ!」とは申しません。その意味で私も数週間連続で筋トレを休むのは怖いんですけど、もうちょい休みを入れてもいいのかなー、ぐらいには思いましたね。

 

 

 

フルにしゃがむスクワットにはどんなメリットがあるのか?

以前に「筋トレは基本的にフルロムが良さげ」みたいな話を書きました。簡単に言えば、関節が動く範囲で完全に曲げ伸ばしした方が筋肉が成長しやすいよー」みたいな話です。

 

 

で、その続編として「スクワットはどこまでしゃがむのがいいの?」ってとこを調べたデータ(R)が出てたんでメモっときましょう。

 

 

これはトレーニング経験がない17名の参加者を対象にしてて、

 

  1. フルスクワット:ヒザを140度まで曲げる
  2. ハーフスクワット:ヒザを90度まで曲げる

 

のどっちかに割り付けて、週2回のスクワットを行ったとのこと。スクワットの負荷は1RMの80-90%で、各セッション3セットずつ行ったらしい(8レップスを3セット行えるようになったら5kgずつ増やしている)。

 

 

でもって10週間後の結果がどうだったかと言いますと、

 

  • フルスクワットを行ったグループは、ハーフスクワットを行ったグループと比較して、大臀筋(お尻)と内転筋(内もも)の筋量が有意に増加した

 

  • 大腿直筋(太ももの前面)やハムストリングス(太ももの裏面)の筋量に有意な違いはなかった

 

だったそうです。こうしてみると、スクワットの深さってのは尻と内ももが大きく関わってて、ハムストリングスを鍛えるにはあんま関係ない感じですかね。

 

 

つまり話をまとめると、

 

  • 美尻を手に入れたきゃフルスクワットだ!
  • ハムストリングはあんま関係ないので、ルーマニアン デッドリフトやレッグカールをやった方がいいかも!

 

みたいな感じになりましょうか。尻トレーニングのひとつとしてスクワットはありかもっすね。

 

 

 

「可変筋トレ」に意味あるのか問題

可変筋トレっていうマニアックな手法があるんですよ。詳しくはYouTubeの動画などを見ていただければと思いますが、簡単に言えばバーベルの端っこにゴムバンドやチェーンなどをくっつけて、行うタイプの筋トレのことです。

 

 

例えば、通常のバーベルスクワットだと、一番下までしゃがんだときがもっとも辛くて、ヒザを伸ばすほど楽になってくわけですよ。しかし、バンドやチェーンを追加すると、ヒザを伸ばし始めるごとに負荷が強くなるんで、その分だけトレーニングの成果が上がるんじゃないかと考えられるんですね。いろいろ考えますよねぇ。

 

 

で、この研究ではラグビーチームのメンバー16名を被験者にして、

 

  1. 可変筋トレ
  2. 普通の筋トレ

 

のどっちかに割り付けて、上半身と下半身の筋トレを週に2回ずつ6週間のトレーニングを行ったそうな。2つのトレーニングプログラムは同じだったものの、可変筋トレでは最大負荷の20%に当たるゴムバンドを使ったとのこと。

 

 

でもって、結果はこんな感じでした。

 

  • 両グループともベンチプレスのパワーや速度が改善したが、可変筋トレグループは、平均パワーと速度の改善レベルが大きい傾向があった

 

ということで、どうも可変筋トレには上半身のパワー向上については、そこそこ有用かもしれないみたい。最大筋力などについては両グループに差は出てないんで、わざわざ可変筋トレ用のアイテムを使うべきかは疑問ですが、気にしておいてもいいかもっすねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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