安静時の心拍数が低いと犯罪を起こしやすくなる理由
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人間の行動は心拍数にも左右されている
「心拍数が低いと犯罪を犯しやすい!」って論文 (1)が勉強になりました。
これは、過去に行われた「心拍数と人間の行動」に関する114件の研究をまとめたもの。実は昔から「心拍数って人の行動を左右してるんじゃない?」って説はあったんですが、今回のはそこそこ信頼性が高い結論になったりします。
安静時の心拍数が60以下で犯罪傾向が
で、まずは結論から並べていくと、
- 安静時の心拍数がずーっと60以下の人は、暴力事件を起こす確率が39%上がり、盗みや詐欺といった非暴力的な犯罪を犯す確率が25%上がる(安静時心拍数が83以上の人とくらべた場合)
- 安静時の心拍数が低いと攻撃性が高まり、サイコパス的な行動の量も増える
- この傾向は性別や年齢とは関係がない(子供でも心拍数が低いと反社会的な行動を摂りやすい)
心拍数と犯罪の関係は、心疾患や認知機能などの要素を調整したあとでも確認されてまして、どうも心臓の働きとヒトの性格は連動してるっぽい。不思議なもんですな。
心拍数が低いと刺激を求めるようになる
こういった現象が起きる理由はよくわからんのですけど、一説には「心拍数が低いと刺激的な行動を追うようになるんじゃない?」と言われております。つまり、
- 心拍数が低いと呼吸の数が少なくなる
- 交感神経がつねに活性化していない状態になる
- 「なんかいつもつまらない…」や「イキイキした感覚がない…」といった気分に
- 刺激を求めるようになる
- 犯罪に手を出す!
みたいな流れ。心拍数が低すぎると「生きている実感」が損なわれて、ドラッグや犯罪でアドレナリンを出す方向に行きがちなんじゃないか、と。あくまで仮説ながら、ありそうな話ではあります。
まぁ犯罪を引き起こす原因としては、一般的には「良くない交友関係」や「反社会的パーソナリティ」「家庭の問題」のほうが大きいんで、これらに比べれば「低心拍数」の影響はかなり下のほう。その点では、自分の心拍数が極端に低くても、そこまでの心配は無用ではありますが。
まとめ
ついでに言えば、逆に心拍数が高止まりしている場合も問題で、2798人を16年にわたって調べた2013年論文(2)だと、
- 安静時の心拍数が81〜90の人は、心疾患と早期死亡率が2倍に!
- 安静時の心拍数が90以上の人は、心疾患と早期死亡率が3倍に!
なんて結果も出てたりしますんでご注意ください。やっぱ安静時の心拍数は61〜80ぐらいがベストな感じですかねぇ。