基礎代謝の低下も考慮にいれた超使えるカロリー計算機「BWP」が開発されたぞ
パレオダイエットでは、食欲が適正レベルにもどった状態を目指すため、あんまりカロリー計算は重要視しておりません。が、長らくの不摂生で脳のセットポイントが狂っちゃった場合、しばらくはカロリーをチェックしてみたほうがいいかもしれません。
ただし、ここで難しいのがカロリー計算と現実との食い違いであります。一般的には「7,000calを減らせば1kg痩せる!」と言われますが、「これからの『カロリー』の話をしよう」でも書いたとおり、体内のエネルギー消費量はホルモンのバランスによって大きく変わっちゃんで、まず理論どおりにはいかないんですな。
といったところで便利なのが、近ごろタフツ大学のケビン・ホール博士が作った「a weight-loss Body Weight Planner (BWP)」っていうカロリー計算サービス。博士の専門は数理モデリングでして、過去に行われた質の高いダイエット研究を分析して、より現実にあったカロリー摂取量を割り出したんですね。
博士によれば、「脂肪1kg=7,000cal」のルールが成り立つのは実験室のなかだけ。ダイエットの期間が長くなるほど代謝が変わっていくため、年単位でみると最初の予定の5割しか体重は減らないんだそうな。
「脂肪1kg=7,000cal」ルールの欠点は、一定のカロリーを減らせば同じペースで体重が減っていくと考えているところだ。ヒトの体はそのようには反応しない。人体はとてもダイナミックなシステムだ。システムの一部が変われば、別のシステムにも影響をおよぼす。
博士いわく、
この数字を聞いて嫌になってしまう人もいるだろう。しかし、実際に減る脂肪の量を正しく把握しておけば、もし目標を達成できななかった場合でもムダにガッカリせずにすむ。長い目で見れば、そのほうが重要だ。
とのこと。確かに「こんなに頑張ってるのに痩せない!」とか思い悩むよりは、「代謝が落ちて脂肪が減りにくくなってきたんだな…」とわかってたほうがストレスがないですもんね。
「BWP」の使い方は簡単で、まずは表示を「Metric Units」に切り替えて、現在の体重・性別・年齢・身長を入力。
「Physical Activity Level(活動量)」 は、1.4(ほぼ座りっぱなし)から2.5(とても活動的)の間で適当な数値を入力してくださいませ。デフォルトでは1.6が入力されてますが、これは「座り仕事」がメインで、ウォーキングのような軽い運動を週に1回やってるレベルだそうです。
続いて、目標体重とゴールまでの期間を設定。
さらに、 ダイエット中の運動量を入力。とくに運動量を増やす予定がない場合は0のままでかまいません。
で、結果が出ました。上から「現在の体重を維持するためのカロリー」「目標体重を達成するためのカロリー」「目標体重を維持するためのカロリー」になっております。60日で3kg痩せる設定で試してみましたが、意外とゆるやかな数値が出た印象ですね。
エキスパートモードに切り替えると、1日ごとの体重の変化予想まで出てきて楽しいです。 これは楽しい。
もちろん、これはあくまで過去のダイエット研究を使った平均値ですんで、このとおりに行くわけじゃありません。ただし、かなり質のいいデータを使ってるのは間違いないので、手計算でカロリーを数えるよりはかなり使えるんじゃないかと思うしだいです。
credit: Viktor Hertz via FindCC