キウイフルーツの抗酸化パワーがすごいんじゃないか説
「キウイフルーツって優秀だよなー」ってのは、近ごろよく耳にする話なわけです。このブログでもかつて「快眠に効くのではないか?」とか「メンタルを改善するのでは?」みたいな話を取り上げてますけど、そもそもキウイは抗酸化成分が豊富(特にビタミンCやE)ですからね。
で、女子栄養大学などの新しい調査(R)では、「サンゴールドが運動のパフォーマンス改善にいいのでは?」みたいな話になってていい感じでした。サンゴールドってのは、見た目が黄色っぽいタイプのキウイで、緑っぽいやつよりビタミンCとEの量が多いことで知られてるんですよ。
ここでは2つの調査が行われていて、おおよそのデザインはこんな感じです。
▼実験1
- 男性アスリート30名(陸上競技メイン)に協力を頼む
- 全体を2グループに分けて、一方にはサンゴールドを1日2個ずつ食べてもらい、もう一方に普通の食事を続けてもらう
- 1ヶ月後の
▼実験2
- 男性アスリート20名(長距離走メイン)に協力を頼む
- 全員にサンゴールドを1日2個ずつ食べてもらい、2ヶ月後の酸化ストレスをチェックする
いずれの実験でも1日2個のキウイが使われてまして、抗酸化成分の摂取量はビタミンCが261mg、ビタミンEが2.3mgだったとのこと。長距離ランナーは酸化ストレスがたまってるケースが多いので、これは確かに効きそうであります。
でもって、その結果がどうだったかと言いますと、
▼実験1
- サンゴールドを食べたグループの血液検査による酸化ストレスが改善していた(d-ROMsで測定)。ただし、抗酸化力には変化が見られなかった(BAPで測定)
- 潜在的な抗酸化能力(抗酸化力値÷酸化ストレス値で7.33以上だったらOK)については、実験前は7.1(6.9~8.2)だったのが、サンゴールドを1ヶ月食べたら8.7(7.3~9.8)に上昇した
▼実験2
- 2ヶ月ほどキウイを食べたグループは抗酸化力の改善が見られた(2,127μmol/L → 2,246μmol/L)。酸化ストレスにも改善が見られた(293U.CAR → 268U.CARR)
- 酸化ストレス度と抗酸化力のバランスも、実験前は7.5(6.9~7.8)だったのが、サンゴールドを1ヶ月食べたら8.2(7.4~8.8)に上昇した
みたいになります。ちょっと用語がややこしいかもしれないですけど、
- 酸化ストレス=活性酸素・フリーラジカルによる体内のダメージを数値化したもの。これが高いほど体への悪影響も大きい。
- 抗酸化力=体が持つ酸化への防御力を数値化したもの。これが高いほど酸化に立ち向かう能力が高い。
- 潜在的な抗酸化能力=酸化ストレス度と抗酸化力のバランスを表したもの。この数値が高いほどバランスが良いと考えられる。
ぐらいにお考えください。全体的に見ると、実験を始める前に体内の酸化レベルが高かった参加者ほどキウイの効果が大きい傾向が見られまして、酸化ストレスが大きな人ほどメリットがありそうっすね。
もちろん、これは普段から激しいトレーニングをしてるアスリートが対象なんで、そこそこの運動量で過ごす一般人にも同じ効果を得られるかは謎であります。が、HIITなどで日ごろ大量の酸素を取り込んでいるような人であれば、1日2個ずつのサンゴールドを食べてみても損はないかもしれません。
いずれにせよ活性酸素とフリーラジカルの増加がケガと疲れにつながるのは間違いないので、対応はしておきたいところですね〜。