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パレオダイエット+ハードなエクササイズで糖尿病はどこまで改善するか?みたいな実験

Meat

 

「パレオな男」とか言ってるわりに、最近あんまパレオダイエットの話を書いてなかったんですが(笑)、近ごろ新しいデータ (1)が出てましたんでご紹介します。

 

 

これは、パレオダイエット研究のメッカであるスウェーデンのウメオ大学の論文。何を調べたのかと言いますと、

 

  • パレオダイエットって糖尿病にいいっていうけど、運動と組み合わせたらもっとすごいことになるんじゃない?

 

みたいな感じです。もともと「パレオダイエットが糖尿にいいかも」って話は結構あって、

 

 

みたいにわりと良い話が多いんですよね。もちろん、これでも証拠としてはまだまだ弱いんですけど、「対策の候補に入れるぐらいならアリじゃない?」って気はしてくるわけです。

 

 

で、これぐらい可能性があるなら、同じく糖尿病対策の基本である「運動」と組み合わせたら超いいのでは?ってのが本論の問題意識になります。

 

 

実験期間は12週間で、肥満と糖尿病に悩む32人の男女が対象(年齢は30〜70歳)。HbA1cは6.5〜10.8%で、メトホルミンの治療を続けている人だけを選んだらしい。

 

 

実験では全体を2グループに分けてまして、

 

  1. 1日30分ぐらいの軽い運動+パレオダイエット 
  2. 1日30分ぐらいの軽い運動+週3でハードな有酸素+筋トレをしつつ、パレオダイエット 

 

って感じにしてます。普通レベルの健康を維持するぐらいの運動と、よりハードな運動をして、両者の効果をくらべたわけですな。

 

 

また、ここで採用されたパレオダイエットは、

 

  • 肉・魚・野菜・果物は好きなだけ食べる
  • 卵は週に5個まで
  • ナッツは1日60gまで
  • ドライフルーツは1日130gまで
  • コーヒーとお茶は1日300mlまで
  • 穀類はすべてNG
  • 豆類も禁止
  • 乳製品も完全カット
  • 加工食品はもちろん完全カット

 

みたいになってます。わりと厳しめなパレオダイエットですね。

 

 

さて、12週間後にどんな違いが出たかと言いますと。

 

  • どちらのグループも体重が約7kg減(減ったのはほとんど体脂肪)
  • 体内の炎症、HbA1cやインスリン抵抗性、空腹時血糖値も両グループで同じように改善
  • ただし、肝臓の脂肪は、ハードな運動をしなかったグループのほうが減ってた

 

だったんですな。基本的には両グループに大きな差はなく、どちらかと言えば運動量を増やしたほうがメリットが薄い(かもしれない)という結果であります。うーん、謎。

 

 

まー、いろんなアウトカムをくらべた研究って、わりと偶然で変な結果が出るケースが多いんで、そのせいかなー?という気もしないではないです。サンプルサイズが少ないし、完全なコントロール群がいないのも、ハッキリした判断が難しいところであります。

 

 

また、現時点でのデータを見てると、当たり前ですが、糖尿病に効くって証拠の数についてはエクササイズのほうが格段に多いんで、この実験で判断するのは危険かなー、と。

 

 

とりあえず、ここから言えそうなのは、

 

  • パレオダイエットはやっぱ糖尿病の改善に良さそう(……な気がする)
  • 運動もプラスするに越したことはないが、ベストなエクササイズ量はまだわからない

 

ぐらいのことでしょうか。なんか、思ったよりもモヤっとするデータでしたなぁ……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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