新年の目標を確実に達成するための「パレオ的なゴール設定法」とは?
意志力に頼っても目標は達成できない
あけましておめでとうございまーす。ということで、例年どおり「新年の目標を達成するには?」みたいな話でも書こうかと。
といっても、ライフハック的に目標を達成するための小技については、すでにイギリスの心理学者リチャード・ワイズマンが「「新年の目標」を達成するための心理学的に正しい10のポイント」にまとめてまして、基本的には、これを守るのが基本になりましょう。
が、ここで問題になるのは、「意志力とかセルフコントロールに頼った方法ってどうなの?」みたいなところです。
意志力のあいまいさはハンパない
ご存じのとおり、意志力は人生を統べる「万能能力」と言われまして、年収や人生の満足度とも高い相関がある必須の能力。その意味では、長期的には絶対に鍛えておきたい要素のひとつかと思います。
ただし、誰もが実感するように意志力ほど変動が激しいものもございません。「勉強するぞ!」と誓ってもスマホを見ちゃうし、「痩せるぞ!」と目標を立てたそばから新年会でどか食いしたり。
ここまで意志力がモロい理由には諸説ありますが、いまんとこよくわからんのが現状。ちょっと前は「意志力は使うと減る!」って考え方が有力だっんですけど、近年では否定的な意見も多かったりしまして、
といった現象も確認されてたりします。まだまだわからんことは多いですねぇ。
パレオダイエット的に見れば意志力が続かないのは当然
もっともパレオダイエット的な考え方からすれば、「意志力が続かないのも当然だべなー」って気にもなるわけです。というのも、人類は数百万年にわたって進化してきた環境からすれば、
- 痩せたい
- 貯金をしたい
- いい仕事につきたい
- 運動を続けたい
みたいな目標は狩猟採集生活じゃ存在しなかったんで、近代になって生まれた目標については、意志力が続くように脳がデザインされてないはずなんですよ。
ってことで、ここでオススメしたいのは、「脳のデザインに沿って目標を決めたらどうよ?」って提案であります。人体のデザインに沿った食事をする「パレオダイエット」のように、ゴール設定も同じ発想で行ったらどうか、と。
共同体の役に立つ場面でこそヒトの意志力は発揮される
では、どんな目標がいいのかといえば、具体的には、
- 他人のためになる
- 他人に感謝できる
っていう2つの軸をベースにするのがベストでしょう。というのも、数百年前の環境においては、狩猟採集民がどんなときに意志力を発揮すべきだったかといえば、
- 種の存続につながる
- 自分の生存率をあげる
のどっちかがメインだったはずなんですよね。つまり、家族や共同体の役に立つ場面こそが、もっとも意志力がわきやすい状況であろうと。
親切と感謝でモチベーションがあがり、健康にもなる
というとただの理想論に思えそうですが、実際ところ、近年における「親切」や「感謝」の研究例には凄いものがあるんですよ。たとえば当ブログで紹介したところでは、
などなど。とにかく、他人への親切はモチベーションが上がるし、寿命まで伸びるという素晴らしさでります。
さらに、「感謝」の効能については、
といったデータがあったりします。どうやら他人への「感謝」 の気持ちは、自分のセルフコントロール能力を向上させる働きがあるようなんですね。これは、まさしく最も確実で手軽に意志力を上げる方法のひとつと申せましょう。
ポイントは「利己的な目標」を「他人本位の目標に変える」
といっても、私は別に「利己的な目標は捨てろ!」と言いたいわけじゃございません。「痩せたい」や「運動したい」もそれぞれ大事な欲望なんで、すべてを無視するのはストレスがたまるってもんでしょう。
ってことで、ここで大事なのは、「利己的な目標を他人への貢献につなげる」ってことです。たとえば、「禁煙したい!」と思ったときに、「タバコを止めれば金がたまるぞ!」と自分に言い聞かせるよりは、「自分の娘に副流煙を吸わせたくない!」と思ったほうがモチベーションは続きやすいはず。自分のためだった目標を、他人への貢献に接続してくわけっすね。
ほかの例をあげますと、
- 運動を習慣にしたい → 健康になって妻の心配を取り除く
- 貯金をためたい → 親に恩返しをする
みたいな感じでしょうか。いかに利己的な目標に見えても、さらに深い理由を掘り下げていって、他者への親切と感謝につながるゴールへ変えていくわけでえすね。キレイ事と言われればそれまでですが、実際に効果があるんだから仕方ないところです。
ってことで、新年一発目は、パレオ的なゴール達成法について考えてみました。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。