21世紀を生き抜くのに必要なスキルを誰も学んでないぞ!というレポート
「21世紀に必須のスキルを誰も身につけていない!」ってレポート(1)がおもしろかったんでメモ。
これはメンフィス大学やカリフォルニア大学など7つの大学が集まった学際研究で、「いまもっとも必要なスキルはCPSだ!」って主張が展開されております。
CPSは「協同による問題解決(Collaborative Problem Solving)」の略で、簡単に言えば「チームワークでうまくやれるスキル」みたいな話ですな。
CPSは仕事場やコミュニテイにおける本質的なスキルだ。現代社会における問題の多くは、グループのメンバーによる「特有の知識」を統合した状態でしか解決できない。
ってことで、現代では問題が複雑になりすぎて個人じゃ無理だから、グループで働く能力が欠かせないんだ、と。非常に納得しやすい話ではないかと。
にもかかわらず、世界各国で50万人の学生を調べた観察研究によれば、全体の8%ぐらいしかCPSのスキルが高い人がいなかったそうな。
現在、学校で子どもたちが学ぶことの多くは、彼らが成人後に必要なスキルを教えてくれない。
いまの教育は「いかにセルフコントロール能力を発揮させるか」に重きを置いており、他人とうまくコミュニケーションを取り、効果的にコラボレーションをする方法は教えてくれない。
学生たちが意味のある指示を受けるケースは少なく、ロールモデルが提示されることもなく、適正なフィードバックも与えられない。
現代では他人とうまくやってくスキルのほうが大事なのに、誰も教えてくれないのっておかしくない?って視点が強調されておりました。こりゃあ大人にも普通に当てはまる話ですな。
そんなわけで研究チームは、過去の教育学などのデータをもとにして、「CPSに必須な4つの条件」を抜き出してくれたんですな。具体的には以下の4つです。
- 理解のシェア:新しい問題を解決するときは、グループのメンバーが共通のゴールを分けあっていなければならない
- アカウンタビリティ:各メンバーがどんな働きをしたか?そのメンバーの働きが何の役に立ったか?を、残りのメンバーがすぐにわかるようにしなければならない
- 役割の明確化:問題解決に必要な個別のタスクに取り組むに当たって、それぞれのメンバーが発揮する能力が判別されていなければならない
- 相互依存:問題を解決するにあたって、各メンバーは、その他のメンバーが成し遂げた成果にもとづいて、さらに解決を図っていかねばならない
というわけで、いずれも基本的ながら意外とチームワークが必要な場面で使えてる人は少ないかもですね。とりあえず誰かとコラボするときは、この4つをチェックリストとして使うのがよさげ。
ちなみに、このレポートでは触れられてないんすけど、CPSを発揮するために必要な特性として「脳の実行機能」が重視されるケースが多め。これは脳が決断を下すときに使う能力で、メタ認知を発揮したいときにも欠かせないポイントであります。
実行機能については、
みたいな話がありますんで、個人レベルでやれることはやっとくといいんじゃないかと思う次第です。どうぞよしなに。