スポーツドリンクは意味がないどころか有害なんじゃないの?説
スポーツドリンク意味ない説ってのは前からよく言われてたんですが、今度は「意味ないどころか下手すりゃ害があるかもよ?」との主張(R)が出ておりました。
これはスタンフォード大学などの調査で、ウルトラマラソンのランナー266人を対象にしたもの。これは6日をかけて過酷な砂漠地帯を250km走り抜くレースで、世界でも最高に辛い競技のひとつと呼ばれてるそうな。
実験では80kmほど走った時点で選手たちのデータを集めまして、
- みんなどれぐらい電解質を補給しているか?
- 選手たちの体重はどれぐらい変わったか?
- ナトリウム濃度はどれぐらいかを?
をチェックしたんだそうな。そこで何がわかったかと言いますと、
- 41人のアスリートがナトリウムバランスを崩していた
- 11人は血中のナトリウムが少なすぎて低ナトリウム血症を起こしていた
- 30人は血液中のナトリウムが多すぎて脱水症を起こしていた
- ナトリウムバランス崩壊の88%は気温が高い状態で発生していた
- 電解質サプリメントの摂取は、サプリの種類、量、摂取方法にかかわらず、体内のナトリウム量にほとんど影響しなかった
だったそうで、電解質の補給は意味がないどころか「サプリのせいで体内のナトリウム濃度が低くなりすぎちゃうかも?」と思わせる結果になっております。
でもって、データをさらに分析したところ、こんなこともわかりました。
- 低ナトリウム血症を起こしたアスリートは‥…
- 平均してトレーニングプログラムの期間が短かかった
- 体重が重い傾向があった
- レースを完走するのに5〜6時間かかっていた
- 水分が過剰だった
というわけで、低ナトリウム血症の予測因子はいろいろあるものの、もっとも予防の上で大事なポイントは「水分過剰を避けようね!」だったそうな。
なんで電解質で水分の過剰による低ナトリウム血症が起きるのかと言いますと、
- ほとんどのスポーツドリンクは、体内に存在するナトリウムよりも電解質の濃度が低い
- なので、スポドリを飲んでいると逆に血中の電解質濃度が低下してしまう
- 低ナトリウム血症が起きる!
みたいな流れになってます。よかれと思ってスポドリを飲みすぎたせいで、逆に体内の電解質不足が起きるわけっすね。
研究チームいわく、
かつては、アスリートは電解質を補給し、できるだけ多くの水を飲むように言われていた。筋肉のけいれんや電解質の不均衡、めまいなどを防ぐと考えられていたからだ。しかし現在のところ、これが事実であることを示す証拠はない。また、血液を水で希釈しすぎれば危険なこともある。
水分の過剰は電解質レベルを低下させるし、電解質サプリメントはあなたを守ってはくれない。
とのこと。もちろん、運動中のナトリウム濃度のバランスを保つのは、吐き気や疲労感などを予防するために大事なんだけど、その点でサプリは役に立たないんだ、と。
ちなみに、これはウルトラマラソンという超過酷な条件で行われた研究なんで、一般的なスポーツやエクササイズぐらいの場面だと、電解質の補給が必要になる場面はまずないです。普通にノドが乾いたら普通に水分を補給しとけばOK。
というか、近年では「スポーツドリンクよりバナナのほうが優秀じゃないか?」って報告もあったりしますんで、いよいよ電解質系ドリンクは立場がなくなってる気がするしますね。つまり、スポドリは糖質の補給以外にはほぼ役に立たなそうだなーってことで、個人的にもエクササイズ時は水しか飲んでないですね。