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勉強法っていろいろあるけどやっぱ「SOAR」が最強なのかねぇ

 



その昔、ブロマガのほうでSOARとSQ3Rという2つの勉強法を取り上げたことがありました。

 

 

耳慣れないワードかもですが、どちらも過去の研究で「勉強の成果が上がる!」というお墨付きが出てる手法ですね。

 

 

その具体的な方法は上のリンク先を見てもらえればと思いますが、どちらの学習法も「勉強したいことについて、自分は何を知っていて何を知らないのか?」を掘り下げるのがポイントで、いわゆるメタ認知を使うタイプの勉強法になってます。

 

 

いちおうSOARを簡単にご説明しておくと、

 

  1. Select(選択)=勉強したい内容から、大事なキーワードやフレーズを抜き出す

  2. Organize(体系化)=ステップ1で選んだ情報を、図や表にしてわかりやすくする

  3. Associate(関連付け)=ステップ2でまとめた情報を、前に読んだ本などから得た情報と結びつける

  4. Regulate(調整)=要約やクイズ化を行って、情報を長期記憶として定着させる

 

 みたいになります。このステップは、人間が情報を頭に取り組むときの脳の働きに近いものになってまして、そのせいで学んだことを覚えやすいんですよ。

 

 

で、この二大勉強法は「どちらが良いのか?」って議論はずっとあったんですが、新たにSOARとSQ3Rの効果を戦わせたデータ(R)が出てたので、チェックしておきましょう。

 

 

これは25人の大学生を対象にした研究で、みんなをSOARかSQ3Rのどちらかで勉強するグループに分類。全員にSOARかSQ3Rのトレーニングを30分やってもらった上で、さらに45分の勉強を行い、最後に勉強の達成度を計測するテストを行ったんだそうな。

 

 

すると、SOARとSQ3Rにはわりとはっきりした効果の違いが出まして、

 

  • SOARを使ったグループは、SQ3Rを使ったグループよりも……
    • 14%ほど多く事実を把握した
    • 20%ほど多く難しい関係性を把握した
    • 13%ほど多く難しい概念を把握した

 

って結果だったそうな。簡単に言えば、SOARを使うほうが、難しい内容を理解するのに役立ったわけっすね。まぁ小規模なテストなので、追試では違う結果が出る可能性もありそうですが、とりあえず今回の実験では意外と大きな差が出たなーってことっすね。

 

 

ちなみに、このタイプの研究を紹介すると、よく「お前はSOARを使ってるのか?」と尋ねられるんですけど、ぶっちゃけ普段の読書とかではほぼ使ってなかったりします。SOARをまじめにやるのって結構手間でして、あらゆる文献に使ってたら大変なことになりましんで(それぐらい手間だからこそ効果があるとも言えますが)。

 

 

というわけで、私の場合は、SOARの簡略バージョンみたいなのを勝手に作ってまして、「この本の内容を頭に入れておきたいなー」とか思った時は、

 

  1. 本を読んで、重要なフレーズにガンガン付箋を貼る
  2. フレーズをマインドマップに起こして、関係があるフレーズをつなげる
  3. 過去に他の本で作ったマインドマップと、新しいマインドマップを見比べ、関係がありそうな情報をつなげる
  4. 定期的にマインドマップを見返す

 

といった感じで情報をまとめてます。SOARの実践としてはだいぶゆるいんですけど、「情報の選択→構造化→既存情報とのすり合わせ」といったあたりは押さえてるので、まぁいいかなーって感じですね。実際、この作業のおかげで、要点はそれなりに頭に入ってるような気はしております。

 

 

まー、もちろん、SOARについては正式バージョンをやったほうが良いのは間違いないので、具体的な実践法が気になる方は「最強の勉強法と呼ばれる「SOAR」って何だ?」をご覧くださいませ。ではまたー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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