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楽観主義ヤバい!人生を改善する力が大きすぎる!という本を読んだ話

 


実践的楽観主義(Practical Optimism)」って本を読みました。著者のスー・ヴァルマ先生は、ニューヨーク大学の精神医学教授で、PTSD、うつ病、不安症の専門家なんだそうな。

  

 

で、本書は、「現実的な楽観主義を身につけよう!」っ話がテーマで、ヴァルマ先生が20年にわたって調べてきた研究内容をベースに、いかに人生に役立つ楽観主義を鍛えるかを教えてくれる一冊でありました。

 

ってことで、いつもどおり本書から勉強になったところをまとめてみましょうー。

 

 

  • 20万人以上を対象とした研究により、楽観主義者ほど健康で、より裕福で、より長生きし、人生、仕事、人間関係においてより成功していることがわかっている。楽観主義で行動する人は、免疫機能の向上、心臓の健康状態の改善など、健康レベルが非常に良好な傾向がある。また、一般的に身体的症状が少なく、痛みも少ない。そして、誰でも楽観主義者のように考え、行動する方法を学ぶことができることもわかっている。

 

 

  • 楽観主義者は長生きするだけでなく、より健康的な生活も送っている。 楽観的な人たちは例外的な長寿を享受し、80歳代まで健康で長生きする。 つまり、楽観的な人たちは 健康寿命が長い傾向がある。

 

 

  • 楽観主義は、オキシトシン受容体遺伝子(人と人との間の理解、共感、つながりを促進するホルモン)と関連している。楽観主義の遺伝子を持つ人は、単に明るい性格になるだけでなく、問題の対処スキル、感情調整スキル、対人関係スキルなどが高くなりやすい。ただし、楽観主義に関して遺伝子が果たす役割はか小さく、楽観主義の遺伝的要素は25%程度だと考えられるため、生まれつきの遺伝子を持たない人でもそこまで心配しなくてもよい。

 

 

  • 楽観主義者はセルフケアに長けており、 人生に積極的で、自分の行動が重要だと信じ、毎年の検診や診察にも 欠かさずに行く。 楽観的な性格は遺伝がすべてだと考える人もいるかもしれないが、現実には、ずっと多くのことをコントロールできる。実際、私たちの健康の約80%は習慣によって決まる

 

 

  • 楽観主義を鍛えるためには、まずは「目的」を持つのが重要である。目的は、人生に喜びをもたらすだけではなく、あらゆる年齢層において、より健康で長生きすることにもつながる。「ランセット」に 掲載された研究では、 人生に意味と目的意識を持つ人は、8年半の間に死亡する確率が30%低かった。人間にとって幸せとは受動的なものだが、目的を追求することで、私たちは運転席に座ることができる。

 

 

  • 「目的」とは、この世界におけるあなただけの実印である。 目的は、あなただけしか持っていない情熱、能力、才能、興味に沿って、意識的に世界と関わるあなた方法だとも言える。大切なのは、良いタイミングが巡ってくるのを待つのではなく、自分に喜びを与えてくれるものを意図的に選ぶようになることである。

    もしやる気が出なくても心配する必要はない。行動に飛び込めば、やる気は後からついてくるもので、これは「行動活性化」と呼ばれる。

 

 

  • もしあなたが、自分の感じていることを表現する時間をとらない、身体は 病みやすくなる。感情を抑えることは、感情を解放することよりもはるかに多くのエネルギーを必要とする。現実的な楽観主義者に 必要なテクニックの多くは、 自分の内面へのこだわりに対処メカニズムに関するものだと言える。

 

  • とはいえ、感情を解放するのは難しいことではなく、 単に1日15分ずつに気をつけるだけでも良い。日記に何を書けばいいかわからないときは、自分の感情に触れる練習をしてみるのがオススメである。 その場合は、 以下のステップを踏むと良い。

    • 1.名前をつける: 今の自分を悩ませている ことに明確な名前をつけてやる。自分がモヤモヤと感じる原因となった外的な出来事、考えについて 考えて、はっきりと言語化する。
    • 2.主張する: その悩みを、身体のどこで感じたかを 考えてみる。こぶしが固くなったり、あごをかみしめたりしていないかなどに 気を配る。

    • 3.手なずける: ステップ1と2で 言語化した悩みを誰かに話したり、日記を書いたりしてみる。 それらの悩みを考えながら、静かに深呼吸をしてもよい。

    • 4.リフレームする:ステップ1と2で 言語化した悩みを 解決するために何ができるかを考え、それを目標として 設定してみる。



  • また、現実的な楽観主義を 持つために大事なのがセルフ・コンパッション自分への優しさ)である。セルフ・コンパッションは内発的な自己価値感であり、地に足がついている。これは、自分の得意なこと、不得意なことを知りつつ、 目標を達成するのに失敗しても自分を嫌いにならないことを意味する。

    この態度を身に付けるためには、何かに失敗したときに、 自分を責める代わりに「人間なら 誰でも失敗をするし、どんな人でも辛いときがある」と言う練習をするとよい。

 

 

  • セルフ・コンパッションの効果を 示した研究は多く、これを 身に付けた人はストレスレベルが下がり、 何かに失敗した後でも モチベーションが下がらず、スランプに陥ることもない。セルフ・コンパッションを実践すると、羞恥心や 他人の非難に 心を満たされ なくなるので、より良い結果を 出しやすくなる。定期的にセルフ・コンパッションを実践することで、免疫システムが向上し、ストレスが軽減され、心臓疾患も減るという研究結果もある。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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