ダイエットを続けるための最強テク、それは「他人の力」を使うこと
「何かを変えたい!」と思った時に、ベストな方法と言われるのが「他人の力を使う」ことであります。良い指導者を探してみたり、目標を共にする仲間を見つけたりと、とにかく誰かのサポートを得るのが、最も自分を変える効果が高いと言われてるんですな。
これは直感的にも正しそうな話に思えますが、果たしてデータでも支持されるのか?ってことで、新しいメタ分析(R)は、
- ダイエットしたい時に「他人の力」はどれぐらい役立つのか?
ってポイントを調べてくれております。
ご存じのとおり、ダイエットってのは非常に失敗率が高く、いったん成功したと思っても半数以上がすぐにリバウンドしてしまうレベルだったりします。そのため、ダイエットの意志を強く持つためには、なんらかの特殊な介入が必要であり、そのためには「他人の力」がベストである可能性が大きいんですな。
そこで研究チームは、「他人の力」を使った過去のダイエットから、実験の精度が高い24件をピックアップ。合計4,919人のデータを分析し、「他人の力」はどれぐらいの効果があるのかをチェックしたんだそうな。
すべての参加者のうち79%は女性で、平均年齢は43.9歳。ほとんどはアメリカで行われた研究で、典型的な介入の期間は約3.5ヵ月(6週間から18ヵ月まで幅がある)で、16の研究では、介入が終わってから5週間から2年間のフォローアップが含まれていたとのこと。これは、なかなか精度が高い結果が得られそうですな。
でもって、分析の結果は、こんな感じになりました。
- 2~4ヵ月後の評価では、2件の研究で「他人の力」を使ったグループほど体重が減ったことが報告された。一方、12件の研究では有意ではない効果が報告された。2~4ヵ月時のプール効果は良好であったが、統計的に有意ではなかった。
- 6ヵ月後の評価では、1件の研究で「他人の力」を支持する有意な効果を報告したが、4件の研究は有意ではない結果を報告した。再度、6ヵ月時点のプール効果は良好だったが、統計的に有意ではなかった。
- 実験が終わった時点では、5件の研究が「他人の力は効く!」と報告し、17件の研究が有意ではない効果を報告し、1件の研究のみ「逆効果だった」とした。この時点におけるプール効果は統計的に有意であり、「他人の力」を使ったグループのほうがダイエットの成果が大きかった。
まとめると、この分析によると、「他人の力」の効果はややまちまちで一貫性のない結果が出ているものの、全体的に見れば、効果が高いダイエット法のひとつとして判断して良いのではないでしょうか。
「他人の力」をダイエットに使う方法はたくさんありまして、
- 同居して食事を共にする人にお願いして、一緒にダイエットしてもらう
- ヘルスコーチや栄養士に相談し、個別の食事計画や運動プログラムを作成し、定期的なフォローアップを行う
- トレーニング・パートナーを探す
- アカウンタビリティ・バディを探す
- 同じような目標を持つグループやチームを見つける
- 同じような目標を持つトレーニングパートナーを見つける
- 自分のダイエットの進捗をソーシャルメディアで報告し、フォロワーからの応援やアドバイスを受ける
- すでに一緒にダイエットに取り組んでいる既存のパートナーと目標を合わせることを話し合う
- 同僚や友人、恋愛相手などに「俺は夏までに10キロ痩せる!」と宣言する
- 料理コンテストを開催し、友人や家族と低カロリーで健康的な料理コンテストを開催し、お互いに新しいレシピを試し合う
- フィットネスチャレンジアプリを利用して、友人や家族と一緒に健康的なライフスタイルを目指すチャレンジに参加する
- 家族全員で健康目標を共有し、互いにサポートしあいながら目標達成を目指す
- 職場で提供されているウェルネスプログラムやフィットネス施設を活用する
- Zoomなどのプラットフォームを利用してオンラインのフィットネスクラスに参加し、世界中の人々と一緒にエクササイズする
- 定期的に友人や同僚と健康的な食品交換会を開き、ヘルシーなスナックや食事を共有する
- 域のウォーキングやランニングクラブに参加し、一緒に運動する仲間を見つける
- 自分の目標をサポートしてくれるチーム、グループ、クラブに参加する
- 友人や家族に小さな金額をスポンサーしてもらい、目標達成時にその金額をチャリティーに寄付する
- 仲間内で健康やダイエットに関するポッドキャストを共有し、議論するグループを作る
といったあたりが考えられるでしょう。「他人の力」を使う際は、同じようなダイエットを目標にしている人を選ぶだけでなく、仲が良い人に自分の目標を伝えるだけでも十分な効果がありますんで、そこは自分がやりやすい方法を見つけていただければ幸いです。