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起き抜けに空きっ腹のままトレーニングをしてみたら妙に元気になった件

Th running  

ここんとこ、プチ断食の状態で軽い運動をしております。具体的には、朝7時に起きて1時間後ぐらいに早歩きを30〜60分ほど続ける感じ。わたしはリーンゲインズというプチ断食法を続けてますんで、運動から4時間後ぐらいに最初の食事をとることになります。

 

 

空きっ腹で運動をすると体脂肪が減る? 

これはファステッドトレーニング(プチ断食運動)と呼ばれてまして、海外のフィットネス業界でも支持者が多い手法。たとえばリーンゲインズの開発者であるマーチンさんも、「空きっ腹で運動すると持久力が高まるんじゃない?」(1)って主張をしております。

 

 

実験でもわりと良い結果が出てまして、

 

  • 20人ちょいの参加者にファステッドトレーニングをしてもらったところ、朝食後に運動をしたグループにくらべてインスリン感受性が大幅に改善した。また、実験中は摂取カロリーをガツンと増やしたにも関わらず、ファステッドトレーニングをしたグループは体脂肪の増加が少なかった(2010年,2)
  • 20人の参加者にファステッドトレーニングをしてもらったところ、朝食後に運動をしたグループにくらべて脱リン酸化が維持された(≒筋肉の成長が進んだ)(2011年,3)

 

といった感じです。ただし、ファステッドトレーニングの研究は短期間のものばかりで、長期的にどんな結果が出るのかは不明。空腹時の運動は筋肉の分解を進めるしストレスホルモンの分泌も増やしますんで、そこらへんのデメリットも合わせると「ファステッドトレーニング最強!」とは言えないかと思います。



 

 

狩猟採集民は基本的に空きっ腹で運動しまくり

それでも個人的にファステッドトレーニングが気になるのは、多くの狩猟採集民が空きっ腹のまま朝から活動してるから。タンザニアで暮らすハッツァ族の研究(4)なんかと見てますと、


  • 食事は1日に1〜2回。夜半に最初の食事をとることも多い。
  • 朝食はまず食べない。食べても昨夜の残り物を少しだけ。
  • 起きて数時間後には狩猟採集のために早歩きをしまくる。

 

といった生活パターンが主流っぽいんですね。そう考えると空きっ腹の朝トレーニングは普通のことなのかなー、と。おそらく原始人にとっても話は同じでしょうから、人類の遺伝子は空腹時の運動に最適化されてるんじゃないかと妄想しております。

 

 

というわけで、ここ数週間ほど起き抜けにトレッドミルや筋トレを試してみたので、以下に雑感を。

 

  • 空腹時の運動はスロージョギングがベストっぽい:空きっ腹でもスロージョギングぐらいなら、無理なくこなせる感じであります。いっぽうで筋トレは力が入らないのでツラい感じ。ストレスホルモンも凄そうなのでおすすめできず。
  • 空腹時に運動をしたほうが逆に空腹感は減る:運動後は食欲が自然に消えまして、何も口にしないでも昼過ぎまで余裕で持つようになりました。ファステッドトレーニングは血糖値を上げる作用があるので、おかげで空腹が消えるのかも。まぁ、狩猟中に空腹になったら満足に動けないですからねぇ。
  • マイルドな覚醒感が午後も続く:起き抜けにコーヒーを飲まなくても、頭がシャキッとした感じが夕方まで続きます。カフェインのようにジリジリした感覚がないのも良いですねー。このへんはアドレナリンの分泌が関係してそうですが、よくわかりません。

 

いまのところ体脂肪の減少や筋肉の増加などのメリットは感じられないものの、元気な感覚が15時ぐらいまで続くのには助かっております。自分にはしっくりくるようなんで、今後も続けてみるつもり。

 

 

ただ、それなりに負荷のかかる行為ではあるんで、カロリー制限中の方や慢性的にストレスが多い方には逆効果かも。そのへんは、ご自分の体と相談のうえでお試しください。

 

 

credit: jacsonquerubin via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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