退屈な家事をストレス解消法に変える秘策「マインドフル皿洗い」
毎日の掃除・洗濯・皿洗いは面倒なものですが、フロリダ州立大から「退屈な家事をストレス解消法に変える方法」について調べた論文(1)が出ておりました。
これは51名の学生を対象にした実験で、みんなで皿洗いをしてもらう前に、ベトナムの高僧ティク・ナット・ハンの「マインドフルの奇跡 」から、次の有名な一説を読ませたんだそうな。
ともかく、皿を洗うときは皿を洗うことだけをするべきです。つまり、皿を洗っていることにしっかり心をとめながら皿洗いをする、ということです。こういうと、ちょっと変に聞こえかもしれませんね。そんなに簡単なことを、どうしてこうも強調するのかと。しかし、これこそが大切な点なのです。
皿を洗うことができなければ、おそらくお茶を飲むこともできないでしょう。お茶を飲みながら他のことばかり考えて、手にしたカップなどほとんど気づきもしないからです。このように、わたしたちは未来に心を奪われ、このひとときを本当に生きることができずにいるのです。
要は「余計なことを考えず、ただ皿を洗おう!」って話でして、以前に紹介したマインドフルネスの基本中の基本が述べられております。
その後、学生たちは水の温度や洗剤の泡に意識を集中しつつ6分間の皿洗いを実行。その結果、
- 不安や神経症のレベルが27%低下!
- ひらめきや創造性が25%上昇!
といった違いが出たんだそうな。たった6分の皿洗いでも結構な効果があるもんなんですねぇ。
研究者いわく、
一般的に、家事は「退屈」や「面倒」と思われがちだ。ところが、シンプルに考え方を変えて作業に取り組むだけでも、家事はストレス解消や創造性アップのテクニックに変わる。
マインドフルネスの訓練には、ポジティブな変化をもたらす効果がある。これは数々の研究で実証された事実だ。しかし、マインドフルの技法を日常的な作業と組み合わせても、大きな変化が得られるのだ。
とのこと。昔から禅の世界などでは「どんな作業もマインドフルにやるべし!」と言われてきましたんで、日本人には納得しやすい話じゃないでしょうか。個人的な体験でも、マインドフルな皿洗いは意外なほど楽しい印象であります。
もちろん、この効果は皿洗いだけに限らず、「マインドフル雑巾がけ」や「マインドフルゴミ収集」など日常のいろんな場面で応用可。「マインドフル鼻ほじり」とか「マインドフルムダ毛処理」とか、あらゆる作業にマインドフルをつけてみると楽しいかもしれません。
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