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ハーバード調査「幸せになりたきゃ地元の居酒屋に行け!」

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「友達の数は何人?」などの著作で有名なロビン・ダンバー博士が、「幸せになりたきゃ地元の居酒屋に行け!」というおもしろいレポート(1)を出しておりました。

 

 

ダンバー博士はオックスフォード大の進化心理学者で、「友だちの数は最大でも150人が限界!」ってユニークな説を唱えたエラい人。博士いわく、

 

交友関係とコミュニティの2つは、おそらくヒトの健康と幸福に影響をあたえるもっとも重要な要素だ。

 

とのことで、コミュニケーションが幸福度に与える重要性を調べるべく、パブを中心に大規模な調査を行ったんだそうな。イギリスのパブといえば、日本の居酒屋以上に社交の場として有名ですからねぇ。

 

 

具体的な研究の内容は、

 

  1. 2,000人にオンラインアンケートを行い、パブに行く頻度と幸福度をチェック
  2. 7つのパブで65人の客に協力を依頼し、iPhoneアプリで会話の内容を記録してもらう
  3. 研究者が6つのパブを訪ね、客たちに幸福度チェックを行う

 

みたいな感じ。なかなか大変な作業ですね。

 



 

その結果をまとめると、

 

  • パブに行く回数が多い人ほど親密な友人が多く、幸福度が高く、他人への信頼度が高かった。ただし、規模がデカい酒場では意味がなく、できるだけこじんまりとした地元の常連客が多い飲み屋がいい。
  • デカい飲み屋に行く人ほどアルコールの消費量が多い傾向があった。
  • デカい飲み屋に行く人のほうが友人の数は多いが、全体的に親密度は低くて会話も短い傾向が強い。
  • 少量のアルコールはコミュニケーションスキルを上げ、同時に認知機能をアップさせる働きを持つ。ただし、この効果はアルコールの量が適量(ビール2杯ぐらい)を超えると消え、逆にコミュニケーション能力は下がっていく。

 

みたいな感じ。とにかく「地元の飲み屋最強!」って結論になっております。

 

 

研究者いわく、

 

ローカルなパブは、人間の幸福感に大きな影響をあたえる。この効果はいくら強調してもし足りない。自分の家や職場の近くに、みな必ず「ローカルなコミュニティ」を持つべきだろう。

 

とのこと。ちなみに2013年にも「週に2回は友人と飲みに行ったほうが健康にいいよ!」ってデータ(2)が出てまして、やっぱ社交って大事なのねーとか思った次第です。もっとも、わたしは完全に酒を止めちゃったんで、なかなか難しいんですが…。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。