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他人への印象が悪い人がやりがちな4つのミス

Fail

 

 

 自己表現がヘタな人々がやりがちなこと

あなたの印象が悪い理由はこれだ!」みたいな論文 (1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

 

これはユトレヒト大学の研究で、タイトルを直訳すると「印象管理の間違い:自己表現がヘタな人々」みたいな感じ。100件を超す過去の心理学データから、「他人への印象が悪い人がやりがちなミス」についてまとめたレビュー論文になっとります。

 



表現ベタはセルフコントロール能力のせい?

で、かつて心理学の世界でよく言われてたのが「印象が悪いのはセルフコントロール能力が低いせいだ!」みたいな理論。自分をうまくコントロールできないせいで、つい他人の悪口を言ったり、おどおどした態度を取ったりしたりで、相手に嫌なイメージを持たれてしまうのではないか、と。

 

 

が、素人目にもこの考え方は単純すぎましょう。「人間はみんなどう振る舞えばいいかがわかってる!」って前提を置かないと、この説って成り立たないですもんね。

 

 

ってことでユトレヒト大学が提唱しているのが、

 

  • 他人に良い印象を与えようと思ってやってることが裏目に出てるだけ!

 

って理屈。すでに心理学では否定されたテクニックを、いまだに「良いもの」として使ってる人が多いんだって話です。

 

 

 

印象が悪い人がやりがちな4つの表現パターン

論文ではもっとも典型的な例が4つあがってまして、

 

 

1.バックハンドコンプリメント

いわゆる「ほめ殺し」のことです。「英語がお上手ですね!ネイティブ以上じゃないですか!」とか、皮肉スレスレまでほめちぎっちゃうようなケースですな。

 

 

さらに別パターンとしては、「バイトなのに仕事ができるねー!」みたいなのもバックハンドコンプリメントの一種。ほめてるつもりが、たんなるヒエラルキーの強調にしかなってないという。

 

 

この手のほめ言葉を使うと、相手に「あー、この人は社会的な地位を気にしてるんだな」って印象が生まれ、非常にダサい人のようなイメージになっちゃうとのこと。これはわかりますなぁ。

 

 

2.ハンブルブラッギング

こちらは、いわゆる「謙遜を装った自慢」のことです。インスタグラムにキメキメの自撮りを上げときながら、「スッピンだからブサイク〜」みたいなコメントを付けるような状態ですな。こちらもわかりやすいですね。

 

 

自慢の問題については過去にも何度か書いてまして、

 

 

といったあたりが参考になるかと思われます。 自慢したくなったときの参考になさいませ。

 

 

3.ヒポクラシー

いわゆる「偽善」。日本語で偽善というと意味がキツめですけど、要は「言ってることとやってることが違う」ぐらいのニュアンスです。実際に本人が偽善者かどうかは置いといて、他人に「こいつ言葉と態度が違うな」と思われたら終わり。

 

 

4.ハブリス

直訳すると「傲慢」ですが、要するに「他人との比較を使った自慢」のことです。具体的には、

 

  • 「オレのほうが上手くやれるのになぁ」

 

みたいなやつ。人間は「他人を下げて自分を上げるヤツ」を嫌い傾向がありまして、それだったら「オレは上手い!」とストレート言ったほうが印象はよくなるんですね。

 

 

なんでも、この手の自慢をすると、相手は「自分までディスられた!」と反射的に思うんだとか。これまたわかる話っすね。

 

 

まとめ

ってことで、「他人への印象が悪い人がやりがちなミス」でした。こうして見ると「オレはやってないよ!」とか思いがちなんですけど、気づかぬうちに誰もがおちいりがちな罠ではありましょう。

 

 

対策としては、まず「こういう4つの罠があるんだなー」と気づくのが第一歩。そのうえで自分の発言を観察しつつ、「あ、いまのはハンブルブラッギングだ!」みたいに、いちいち名前をつけていくのが良いのではないかと思われます。どうごご自愛ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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