このブログを検索




「瞑想嫌い」がマインドフルネスを鍛えるにはどうすればいい?

Run

 

瞑想が続かない!をどうするか? 

当ブログでは、定期的なマインドフルネス瞑想をオススメしております。マインドフルネスの効果についてはまだ賛否あるものの、とりあえず不安の解消には効きますし、ダイエットに役立つってメタ分析もありますんで、やって損はないテクニックのひとつ。

 

 

ただ、瞑想は慣れるまでが大変なんで、長続きしないって声をよく聞くわけです。そりゃあ黙って座ってるのって退屈ですもんね。

 

 

で、そんな方に役立ちそうなのが「マインドフルネス気質(Dispositional Mindfulness)」って考え方であります。

 



日常生活でマインドフルネスをキープできるか?

これは2010年代から研究が進みだしたワードで、ざっくり言えば「日常でどれだけマインドフルネスをキープできるか?」みたいな話。食事でも皿洗いでも何でもいいんですが、瞑想をしなくても、いつもの生活でマインドフルネスを保てるかどうかを問題にしております。

 

 

前にも書いたとおりマインドフルネスは瞑想のことじゃないので、別に座って目を閉じなくても実践はできるんですな。

 

 

さらに具体的なポイントを知りたければ、「マインドフルネス度を判断するための15問」などをどーぞ。気づかずに間食してたり、自分の感情に後で気づくようなケースが多ければ、マインドフルネス気質は低めであります。

 

 

マインドフルネス気質で早期の死亡率が下がる

近年の研究では、生まれつき「マインドフルネス気質」な人が一定数いることがわかっていて(1)、その特性を持っている場合は、瞑想トレーニングを積んでなくとも自然に今の状況に意識を向けられるんだとか。すぐに気が散りがちな私には、まことにうらやましい話です。

 

 

また、集中力のほかにも「マインドフルネス気質」にはメリットがありまして、

 

 

って感じ。どうやらマインドフルネス度が高い人ほど野菜や果物を食べ、ちゃんと運動をして、タバコも吸わない確率がやたら高いみたいなんですな。おそらくは、

 

  1. マインドフルネス気質が多い
  2. ダメな誘惑に負けそうな自分に気づける
  3. 誘惑に介入できる

 

ってことなんでしょうねぇ。その意味で、マインドフルネス気質は「セルフコントロール能力」にも必須かと。

 

 

有酸素運動でマインドフルネス気質が育つ!

では、どうやってマインドフルネス気質を鍛えるの?って問題が出てきますが、参考になるのがルートヴィヒ大学の実験(4)。ここで「有酸素運動でマインドフルネス気質は向上する!」って結論が出てるんですよ。

 

 

これは118人の男性を対象にした実験で、全員を2グループにわけたんですね。

 

  1. 初心者レベルのランニング(時速7キロぐらい)を週に2時間
  2. 筋弛緩法などのリラックステクを週に2時間行う

 

それから12週間後、結果はこんな感じです。

 

有酸素運動を行った参加者は、リラックストレーニングよりも、有意にマインドフルネス気質が改善した。

 

この実験で採用した運動は、ヨガやピラティスのように、とくにマインドフルな特徴を持っていない。 普通のランニングだ。

 

とのこと。とくにマインドフルネスを意識しなくとも、定期的に体を動かすだけでも十分にOKなんだ、と。瞑想がニガテな人にはいい話じゃないでしょうか。

 

 

エクササイズで自動的に瞑想と同じ状態に

なぜ運動でマインドフルネス気質が向上したかといえば、

 

エクササイズは、呼吸ペース、心拍数、体温などに影響をあたえる。この変化が自分の体に意識を向けさせ、マインドフルネス気質を高めるのではないか。

 

だそうな。要するに、エクササイズの辛さで自動的に自分の身体に注意が向かい、これが自然とボディスキャンメディテーション(体の感覚に意識を向ける瞑想法)に近い効果を発揮してるんじゃないか、と。

 

 

もともと「運動で集中力が上がる」って話は山ほどあるんで、この話にも思わず納得。エクササイズは自動的に瞑想に近い状態へ導いてくれるわけっすな。

 

 

実験を見る限り、自分の体に意識が向かえばOKみたいなんで、エクササイズの種類は筋トレでもHIITでもなんでもよさげ。1日20〜30分を目安に3カ月ほど続けてみちゃいかがでしょう。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM