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最強の筋トレには「適切な難易度」が必須ですが、具体的にどう決めればいいのでしょう?問題

Muscle

 

筋トレの効率を上げるには適度な難易度が必須

筋トレで大事なポイントと言えば、「適度な難易度設定」であります。いきなり身の丈を超えるトレーニングをしたら筋肉が疲れすぎてうまく成長しないし、逆に手ごたえがないゆるーい動きばかりしてても、やっぱり体に適切な刺激が与えられないんですな。

 

 

そんなわけで、トレーニングをするときは「自分にとってちょっとだけ歯ごたえがあるレベル」を選び続けるのが大事。このあたりは、仕事でも勉強でも同じことですが。

 

 

このとき、筋トレのレベルを変えようと思ったら「負荷を高める」ってのが一般的でしょう。バーベルやマシンの負荷を少しずつあげてって、適切な刺激を体に与えてやるわけっすね。

 

筋トレの最低な難易度を自動で決める方法とは?

なんだけど、近ごろ出た論文(1)では、「“速度”を使って難易度を設定するのもアリじゃない?」って話になってて、ちょっと使えそうでありました。要するに、バーベルやダンベルを上げ下げする時の速度の変化を「目印」にして、自分の適切なトレーニングレベルを計ろうぜ!みたいな話です。

 

 

これはスペインで行われた実験で、筋トレ歴が1.5〜4年ぐらいの男性25人が対象。実験ではみんなにスクワットをやってもらいまして、その際に2つのグループに分けております。

 

  1. 40%グループ:スクワットの動作スピードが40%減ったところでエクササイズを終了する
  2. 20%グループ:スクワットの動作スピードが20%減ったところでエクササイズを終了する

 

どちらのグループも、スクワットの負荷は1RMの75%ぐらいで同じなんだけど、スクワットを止めるタイミングだけを変えてもらったわけですね(1RMについてはこちらをどうぞ)。

 

 

なので、上記のように筋トレをすると、

 

  • 40%グループのほうが、自然とスクワットの総回数が増える(20%グループより、もっと自分を追い込まなきゃいけないので)

 

って違いが出ることになります。当然ながら、筋トレの回数が増えるほど動作のスピードは遅くなりますもんね。

 

 

筋トレを止めるタイミングで効果に差が出た

さて、以上の2パターンで8週間ほどトレーニングを続けたところ、最終的にはこんな違いが出ました。

 

  • パワーは20%グループの方が4.6%多くアップしていた(+18.0 vs. +13.4%)
  • 太もものデカい筋肉の量は40%グループの方が増えていた

 

ってことで、筋肉がまだ素早く動かせる段階でトレーニングを止めた場合はパワーがアップし、筋肉の動きが落ちたとこでトレーニングを止めると筋肉が増える、という感じであります。

 

 

まぁこの結果は珍しいものじゃなくて、過去にも「筋肉を増やすなら、負荷にこだわるよりトレーニングの回数を増やしたほうがいい!」って話はありましたからねぇ。ここらへんは予想の範囲内かと思います。

 

 

ただ、この研究がナイスなのは、「筋トレの適切な難易度」を判断するためのざっくりした指針になるところでしょう。もちろん「スクワットの速度」は自分じゃ正確にわからないですが、ここでは代わりにRPEを使うことをオススメします(RPEってなに?という方はこちらをどーぞ)。というのも、筋トレの速度の変化ってほぼRPEと連動してると考えられるものですから。

 

 

自分にとっての最適な難易度を決めるための具体例

具体的な方法としては、

 

  • あらかじめ決めた負荷(1RMの80%とか)で筋トレをして、やはり事前に決めといたたRPE(8とか)に達するまでやってみる。これだと完全に筋肉が追い込まれないので安全だし、筋肉が成長するために必要なトレーニングボリュームも稼げる。

 

  • あらかじめ決めた負荷(1RMの70%とか)で筋トレを1セット8〜10回ぐらいやる。このワンセットを、やはり事前に決めといたRPE(8とか)に達するまでやってみる。これだと各エクササイズの最適なセット数を自動で決められるのでわかりやすい。

 

といった感じになりましょう。この方法なら、あんまめんどうなことを考えずに、ちゃんと最適な難易度に落ち着くんじゃないかと思われます。細かくバーベルやマシンの負荷を変えるのが面倒な人には、特によろしいのではないでしょうか。

 

 

ってことで、筋トレの最適な難易度を決めるための考え方でした。負荷を変える方法がしっくりこない方はお試しあれー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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