抗酸化パワーがすごい成分「セレニウム」はアンチエイジングに効くのか?問題
セレニウムは抗酸化パワーがすごい!…が
セレニウムってサプリがあるんですよ。ややマイナーな成分ですが高い抗酸化能力を持つことがわかっていて、「炎症をやわらげる!」とか「甲状腺の異常に効く!」とか言われてるんですな。
そこで、大昔からよく聞くのが「セレニウムで心疾患が減るんじゃない?」って話です。なにせ心臓や血管の老化って炎症と酸化がおもな原因なんで、抗酸化力がある物質にはすべて効果がある可能性が高いんですよね。
ってことで、近ごろ、そのへんをガッツリ調べてくれたメタ分析(1)が出まして勉強になりました。
セレニウムで心疾患で死んでしまうリスクは防げるか?
これは、過去に出たセレニウム研究から質が高い16件を抜き出して、43998人分のデータをまとめたもの。その内訳は、
- 8件が「血管がカチカチになって死んでしまうケース」について調査
- 8件が「血中のコレステロール」について調査
- 4件が「CRP(体内の炎症を示すサイン)」について調査
- 4件が「GSH-PX(こっちは体内の酸化を示すサイン)」について調査
って感じです。実験で使われたセレニウムは1日75〜500mcgぐらいで、期間は8週間から7年ぐらい。なかなか質が高くてよいのではないでしょうか。
炎症や酸化には効いたが心疾患リスクについては不透明
ってことで、ざっくり結果を並べていきますと、
- 「血管が詰まって死ぬ」問題には効果がありそうだけど、統計的に有意じゃないのでよくわからん
- コレステロールについては何の影響もなし
- 体内の炎症と酸化についてはちゃんと効果が確認された!(だいたい50%ぐらいの改善)
って感じです。炎症と酸化への効果は認めめられたものの、かといってそれが心疾患の予防にまで効くかどうかはわからない、という。ちょっとモヤッとする結果ですが、炎症と酸化マーカーがそれぞれ50%ぐらい改善してるのはいい感じではありますね。
もっとも、実験を細かく見ると「セレニウムだけ」を使ったデータが少ないので、これをどう解釈していいかは難しいところ。というのも、いくつかの実験では、セレニウムのほかにもいろんなビタミンやミネラルを使ってたりしてまして、単体でどこまで効いてるのか?ってのはわからないんですよねぇ。
まとめ
といった前提のうえでとりあえずの結論を書いとくと、
- 日本人でセレニウム不足の人は少ないんで、あえて追加で飲むほどのメリットはなさそう
- セレニウムが足りないような人は、サプリを飲むのもアリ
ってとこでしょうか。おそらく、普段から肉類をちゃんと食べてさえいればセレニウムは不足してないはずですんで、不健康な食事が多いような方であれば意味はあるのかもですねー。