食事のタイミングを変えるだけで体が若返る「eTRF」とは?
当ブログでは昔から「プチ断食」をオススメしております。
これは短い時間の断食をくり返すアンチエイジング法のことで、「パレオダイエットの教科書」でも「体が若返りますよー」みたいな話を描いてたりします。
で、プチ断食にもいろいろありまして、過去には「ベルリン大学式」や「1日おき断食」なんてのを推奨したことがございました。そこで、今回は新たに「eTRF」って手法をご紹介しましょう(1)。
これはバルセロナ自治大学の論文でして、「eTRF」ってのは「早い時間だけに食事を限定する方法」(early time-restricted feeding)の略です。その名のとおり、1日の早い時間に食事をすませてしまうテクニックで、
- 6:30-8:30のあいだに朝食をとる
- 朝食から6時間後までに夕食を終える(12:30〜14:30まで)
- 夕食が終わってから翌日の6:30-8:30まで何も食べない
って感じで行います。だいたい1日の断食時間は18時間でして、私が実践している「リーンゲインズ」よりも空腹の期間が長めですね。
研究チームは以下のように言っております。
プチ断食には代謝と健康を改善する効果がある。しかし、これらのメリットが、シンプルに断食のせいで起きるのか、それとも体重が減ったせいで起きるのかはよくわかっていなかった。
プチ断食が体にいいのは確実なんだけど、果たしてその効果はダイエットに成功したせいなのか、それとも断食の時間さえ作ればメリットは得られるのか?ってところを調べたわけです。
もしプチ断食の効果が「体重が減ったおかげ」だったら、当然、標準体重の人が実践しても意味がないことになっちゃいますからねぇ。なかなか貴重な視点かと思います。
参加者は8人の男性で、みんな糖尿病の予備軍。どんな実験かと言うと、
- 全員にeTRFを5週間やってもらう
- その後、しばらく何もしない期間を作る
- 今度は、全員に一般的なアメリカ人の時間帯でご飯を食べてもらう
って感じです。みんなにeTRFと普通の食事を経験してもらい、どんな違いが出たのかを調べたわけですね。この時、どちらのパターンでも食事の内容やカロリーは同じにそろえてあります。
eTRFの食事法は上で紹介したとおりで、みんな最低でも午後3時前には1日の食事を終えていたとのこと。いっぽうで平均的なアメリカ人の時間帯では、1日のうちに12時間だけ好きな時間帯に食べて、残りの12時間は空腹というサイクルが普通らしい。
イラストだとこんな感じでして、まぁ日本でもアメリカと似たようなパターンの人は多いんじゃないでしょうか。
さて、その結果がどうだったかと言いますと、
- eTRFをやった場合は……
- インスリン感受性が改善!(=糖のコントロールがうまくなった)
- 血圧が低下!
- 午後からの食欲が低下!
- ついでに身体の酸化ストレスも大きく改善!
だったそうな。パイロットスタディの段階なんでハッキリとは言えないものの、これだけ見ると「いいことだらけじゃないか!」って感じがするわけです。
あと、先にも書いた通り、この研究は「食事の内容を変えなくてもプチ断食だけで効果があるかも!」ってのを示したのが新味。研究者いわく、
ヒトの体は、1日のしかるべきタイミングで食事を摂るように最適化されている。食事のタイミングは体内時計を左右し、様々な角度から健康状態を改善する。
とのこと。個人的には今後も「リーンゲインズ」を続けるつもりですが、「仕事の関係で朝はちゃんと食べたい!」という方にはeTRFがいいのかもしれませんねぇ。