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健康になるために欠かせない「自己効力感」を判断する8つの質問

Runner

 

なにごとにも「自己効力感」は必須。簡単にいえば「これぐらいならできるっしょ」って感覚のことで、自分にはゴール達成の能力があると信じられる状態を意味しております。これは、「無条件で自分には価値があるのだ!」と考える「自尊心」とはまた別の概念ですんで、その点はご注意ください。

 

 

自己効力感の研究はとても多くて、こいつが高いと、

 

  • 勉強と仕事のパフォーマンスが上がる!
  • 人生の満足度も上がる!
  • 家族の関係も良くなる!

 

なんてあたりはかなーり実証されております(1)。とにかく、いろいろと人生に影響をあたえるポイントなんですな。

 

健康になるための自己効力感チェック法とは?

で、新しい研究(2)では「健康と自己効力感」についてガッツリと調べてくれてて有用でした。当然ながら、自己効力感は人間が健康でいられるかどうかも左右するわけですね。

 

 

この論文でチェックしたポイントは何かと言いますと、

 

  • 健康レベルに影響をあたえる自己効力感のチェック法とは?

 

って問題です。自己効力感を調べるテストってのは昔からいくつも開発されてるんですが、そのなかでも特に健康レベルの改善に役立つのはどれなのか?ってとこを調べてくれたんですね。

 

 

これはヴロツワフ大学の研究で、過去のデータから信頼性が高い17件をまとめたもの。みんな大好きメタ分析になっていて、いわゆる「観察研究の系統的レビュー」ってやつです。

 

 

ここで対象になったのは「なんらかの心疾患に悩んでいる人」でして、いったん病気にかかった人と自己効力感の関係を調べたみたい。というのも心疾患ってのは、症状のせいで毎日が辛くなっちゃうのはもちろん、そのせいでメンタルも病む傾向がありまして、とにかく人生の質が下がってしまいがちなんですよ。

 

 

健康レベル判定用の自己効力感テスト

では、分析の結果なにがわかったかと言いますと、

 

  • 自己効力感が高いほど健康レベルは高く、それにともなう人生の質も高い傾向があった!(r = .37; 95% CI [.29, .44])
  • 健康レベルの高さを予想できる「自己肯定感テスト」が見つかったよ!

 

って感じです。ちょっと数字が低くないか?ってお叱りもありましょうが、この手の研究ではまずまずの数字として許容範囲じゃないでしょうか。

 

 

さて、具体的にどんなテストで「健康レベルのアップ」につながる自己効力感を判断できるのかと言いますと、以下のようなものです。

 

 

健康レベル判定用の自己効力感テスト

以下の質問に0%〜100%の範囲で答える。「まったく達成できそうもない」なら0%だし、「完全に達成できる」なら100%。また、この質問でいう「適度な運動」は、早歩きからランニングぐらいの負荷の運動(3〜6METSぐらい)を意味しております。

 

  1. 次の1週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  2. 次の2週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  3. 次の3週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  4. 次の4週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  5. 次の5週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  6. 次の6週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  7. 次の7週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。
  8. 次の8週間のあいだ、1回40分以上の連続した適度な運動を週に3回のペースで行うことができる。

 

いやー、すごくシンプルですな。すべて採点したら、各点を合計して8で割ればOK。当然、点数が高いほど健康になりやすいと判断できますが、とりあえず80%以上は目指しておきたいところです。

 

 

ってことで、普通の自己効力感テストよりも、運動に特化したテストのほうが健康レベルを予想できるってのはおもしろいですねー。個人的には、3ヶ月おきぐらいにこのテストを行って、自分の効力感がどう変わっていったかをチェックしてみると良いのではないかと。

 

 

ちなみに、自己効力感を高める要素ってのはいくつかあって、

 

  1. 自己達成:少しでも自分が成功した経験をする
  2. 他者達成:自分の目標と似たようなゴールを達成した人を観察する
  3. 言語達成:自分がどれだけゴールを達成できるかを理詰めで考える(ゴールを達成できなさそうな場合も「何パーセントぐらいできなさそうか」を把握する)

 

といったあたりが定番であります。どうぞよしナニー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。