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今週の小ネタ:男女の仲を良くする秘訣、鼻のサーカディアンリズム、癌に効く食事

Summary

 

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

いまの彼氏/彼女との仲をブーストさせる近道

これはノースカロライナ大学の研究(1)で、65組のカップルに協力を頼んで、毎日の感情の変化を細かく記録してもらった実験であります。これで、「男女関係をポジティブにする要素はなにか?」ってのがわかるわけですな。

 

 

その結果がどうだったかと言いますと、

 
  • 感謝または寛大さを相手に示すと、その瞬間から2人の仲は向上し、その効果は翌日にも続く

 

だったそうです。当ブログではおなじみの「感謝」がここでも出てまいりました。

 

「感謝」は、その瞬間から私たちのなかに変化のカスケードを引き起こす。感謝を受けた側は相手へのポジティブなモチベーションが増し、感謝をした側も世界をさらに寛大な視線で眺められるようになる。

 

この効果は、「感謝」が相手の必要性や好みにマッチした時にさらに大きくなる。

 

ってことで研究チームは「感謝」の即効性を強調してまして、この現象を「感謝のブースターショット」と呼んでおります。なんかかっこいいですな。

 

 

鼻にもサーカディアンリズムがあるぞ!

 

これはブラウン大学などの研究(2)で、37人の若者が対象(12〜15歳)。まずはみんなをラボに呼んで、9日間にわたって厳密な睡眠と起床タイミングを守らせたらしい。

 

 

そのうえで全員のメラトニン(睡眠ホルモン)の変化をチェックし、さらにバラの香りの物質をかがせて「嗅覚がどう変わったか?」を数時間ごと調査。すると、こんな結果が出たんですな。

 

  • ヒトの嗅覚は時間ごとに変動しており、午後9時ごろにもっとも敏感になる
  • 午前2時〜10時のあいだにヒトの嗅覚はもっとも鈍感になる

 

ってことで、深夜から朝にかけて人間の嗅覚は鈍っていくらしい。よくわからんですが、臭いで睡眠の質が下がらないように進化してきたのかもですな。

 

 

癌に効く食事はこれだ!という観察研究

最後はERENなどの研究(3)で、ヨーロッパの10カ国から471,495人を15年にわたって追いかけた労作になっております。

 

 

で、そこでわかったのは”超常識的”な内容でして、

 

  • 脂肪分が多い肉、ファストフード、ジャンクフード、アルコールの摂取量が多い人は癌になりやすい
  • 野菜、フルーツ、魚、脂肪分が少ない肉の摂取量が多い人は癌になりにくい。とくに男性は大腸ガンや肺ガンのリスクが下がり、女性は肝臓ガンと乳ガンのリスクが下がる

 

だそうです。いやー、非常に普通の結論ですが、常識をあらためて確認するのも大事ですからね。

 

 

ただ、個人的に「へー」と思ったポイントがありまして、

 

  • 食事の内容が最低のグループ(全体の20%)は、食事内容が最高のグループ(全体のトップ20%)より7%ほど癌になりやすい

 

ってところですね。正直なところ、「あれ?かなり健康的な食事をしても7%ぐらいしか違わないのかー」って気分になりましたね(笑)

 

 

まぁご存じのとおり癌にかかるかどうかはシンプルに運の要素が大きいんで、いかに食事を改善してもこれぐらいの差なんでしょうなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。