ファストフードばっか食べてると免疫が暴走してアレルギーが悪化するかも!みたいな怖い実験
「ファストフードでアレルギーが悪化する!」ってのはそこそこ確かな話。四川大学のメタ分析でも、高脂肪&高糖質なファストフードを食べれば食べるほど花粉症やアトピーが悪化していくよ!って結論が出てたりします。
ただ、ここらへんの話は観察研究をまとめた内容なんで、「なぜファストフードは悪いの?」ってとこは謎なんですよね。ファストフードと聞くと「そりゃ体に悪そうだから当然でしょ」みたいな気分になりがちですけど、できればメカニズムも知っておきたいところです。
ってことでCellに出てた実験(1)は、ファストフードの問題についてあらためて取り組んでいて有用でした。
これはボン大学などの研究で、「マウスに高脂肪&高糖質な食事をあげたら免疫システムがどうなるか?」を調べた動物実験になります。ざっくり実験の顛末を書いてみると、
- マウスにファストフードの構成に近い高脂肪&高糖質なものを食べさせる
- すると、すぐにマウスたちの全身が炎症の炎に包まれまくった
- が、健康食に切り替えたらすぐに炎症も収まった
って感じです。ここらへんは「そりゃそうだろうなー」みたいなとこですよね。
ただ、この研究がおもしろいのは、
- ファストフードで免疫にかかわる細胞内に遺伝レベルで変化がおきた!
ってとこです。具体的には以下のイラストのような感じで、本当はガッツリ守られてるはずのDNA(左側)に、簡単にアクセスできるようになったんだそうな(右側)。
この現象が起きたのは「前駆細胞」ってやつで、白血球と密な関わりを持った部分。当然、免疫系にかなりの悪影響が出たと考えられるわけです。嫌ですねぇ。
でもって、続けて研究チームは、いったん健康を取りもどしたマウスに対して追い込みをかけてます。具体的には、
- マウスに毒素を注入してわざと炎症を起こさせる
- どんな反応が起きるかをチェックする
って感じにしたところ、マウスたちの炎症レベルはファストフードを食べる前よりも激しくなったんだそうな。健康的な食事にもどしたあとでも、細胞のダメージは残り続けたわけですね。これは嫌ですなぁ。
つまり、この話をざっくりまとめちゃうと、
- 生き物の体はファストフードを「感染」と似たようなものだと判断している!
って感じです。しかも、いったん高脂肪&高糖質で細胞が壊れちゃうと、そのまま免疫は過剰に反応し続けてしまう可能性があるかもなんですな。
もちろん、この研究がどこまで人間に当てはまるかはわからないものの、ここらへんの反応はヒトとマウスは似てるだろうなーと推測。アレルギー持ちの方はぜひご注意ください。