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心肺機能を高めるためにもプロテインは意味があるんじゃない?という実験の話

 

タンパク質って大事だよねー」ってのはいまさら言うまでもないわけで、筋肉をうまく発達させるためには必須なわけです。個人的には今はプロテインパウダーは飲んでないんですけど(筋トレを始めたばっかの頃は飲んでましたが)、少食のせいで満足なタンパク質がとれない方にはサプリを推奨しております。

 

 

といったところで、昔から「筋肉を増やす」以外にもよく言われるのが、「プロテインって心肺機能にもいいのでは?」みたいなポイントです。通常、心肺機能と言われると糖質の重要性を指摘されるケースが多いんですけど、2014年には「タンパク質は持久トレーニングの疲労回復も大事なのでは?」って説(R)が出てたりして、わりと熱いテーマだったりするんですよ。

 

 

もっとも、このへんの問題についてはまだ小規模なデータしかなくて判断がムズいんですけど、近ごろちょっといい感じの研究(R)が出てて参考になります。

 

 

これは44人の男性(18〜30 歳)を対象にした二重盲検ランダム化比較試験で、BMIが平均22.4ぐらいで健康な人だけを選んだそうな。参加者の最大酸素摂取量(心肺機能の指標ね)は50.4 mL/kg/minだったみたいなんで、わりと心肺機能がある人が選ばれてますね。

 

 

で、実験では全体を2つのグループに分けてます。

 

  1. 29gのプロテインを飲む
  2. 29gのプロテインと同じカロリーの糖質を飲む

 

どちらのグループもサプリを飲むタイミングは「運動前」(週3回)と「寝る前」(週7回)の2つ。週3回の運動がどのようなものだったかというと、

 

  • キツ目のサイクリング(呼吸が早くなって会話が難しいぐらい)を60分

 

だったそうで、なかなか負荷が高い内容になってますね。もちろん実験中は、参加者たちに「サプリ以外は普段どおりの行動をしてくださいねー」と指示しております。

 

 

でもって、10週間でどんな違いが出たかというと、

 

  • プロテインを飲んだグループのほうが最大酸素摂取量がアップしていた(11% vs 6.1%)

 

というわけで、プロテインを飲んだほうが有意に最大酸素摂取量が向上しておりました(p=0.045)。

 

また、体の変化にしぼって見てみると、

 

  • 筋肉の増加もプロテイングループの勝ち(+2.5% vs 0%)
  • 体脂肪の低下もプロテイングループの勝ち(-9.4% vs 0%)

 

みたいになってて、やっぱタンパク質って重要なのかなーって気がしてくるわけです。心肺機能が上がって体脂肪も減ってるわけですからね。

 

 

ちなみに食事のデータ部分を見てみると、プロテイングループは体重1kgあたり1.3〜1.8gのタンパク質を取ってて、コントロール軍は体重1kgあたり1.0〜1.3gを取ってたみたい。プロテイングループの摂取量は結構なもんですね。

 

 

というわけで、この結果をみる限り「ランニングやマラソンをやってる人もタンパク質は有用!」って気がするわけですが、

 

  • なんせテーマが新しいので判断がむずい
  • 短期的な最大酸素摂取量の増加が、長期的に持久力アップにつながるのかはよくわからん

 

ってところもありますんで、そこらへんはご注意ください。個人的には持久トレーニング好きもタンパク質は増やした方がいいように感じてますが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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