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運動の前後にプロテインを飲むとミトコンドリアの機能がブーストするかもよ

 

ミトコンドリア大事!ってのは、このブログでよく書いているお話。なんせ細胞内でエネルギーを作り出してくれるパワープランとなんで、こいつが満足に働いてくれないと十分な力が発揮できないし、いよいよ体力も落ち込んでいくわけです。

 

 

その具体的な方法としては、

 

 

みたいに辛い運動をするのが定番なわけですが、新しい研究(R)では「エクササイズ+プロテインがいいよ!」って話になってました。エクササイズによるミトコンドリアの強化を、プロテインがさらにブーストしてくれるんじゃないか?というんですね。

 

 

これは6週間のトレーニングを行ったランナー24人を対象にした試験で、

 

  1. トレーニング前に体重1キログラムあたり0.3グラムのプロテインを飲み、トレーニング後に0.3g/kgのタンパク質と1g/kgの糖質をふくむドリンクを飲む

  2. トレーニング前後に、上記と同じカロリーの糖質ドリンクを飲む

 

って感じで2つのグループに分けたうえで、ミトコンドリアの機能がどう変わったかを調べてます(シトクロムcとかで)。体重1kgあたり0.3gってことは、私のように60kgの人はトレーニングの前後に18gずつを飲む感じっすね。平均的なプロテインパウダーの一食弱ぐらいですな。

 

 

 

その結果がどうだったかというと、

 

  • 糖質だけを飲んだグループと比べて、プロテイングループはシトクロムcのレベルが有意に上昇してた!
  • ただし、 VO2 max(どれぐらい体が酸素を効率的に使用できるか?)や 6 キロのトライアルの数値には両グループで目立った差はなかった

 

だったそうです。シトクロムcが上がってるってことは、おそらくミトコンドリアが運動の刺激に適応してると思われるんですが、とりあえず即座に身体のパフォーマンスが上がるわけではなさそうっすね。トレーニング前後のプロテインを飲み続ければ、パフォーマンスにも影響が出るのかもしれんですが、そのへんは謎っすね。

 

 

ちなみに、運動&プロテインの他にミトコンドリアの機能を改善する方法としては、バスタ大学の先生がまとめたレビュー論文(R)が参考になりまして、「ひょっとしたら効果があるかもしれないサプリ」を以下のように並べてくれております。

 

  • CoQ10:欠乏するとATP(体内のエネルギー源)の生産量が減るし、活性酸素を取り除く効果も高い。
  • α-リポ酸+アセチル-l-カルニチン:高齢動物を含むいくつかの動物実験で、ミトコンドリアのATP産生を増加させる働きが示されている。もしかしたらヒトでも効果があるかも?みたいな感じ。
  • レスベラトロール:ミトコンドリアのATP産生を増加させ、 活性酸素から保護してくれる可能性がある。
  • N-アセチルシステイン:細胞内のグルタチオンを増加させ、それをミトコンドリアに送り込んで、酸化ダメージから守ってくれる
  • ビタミンE:ヒトの研究はあまりないが、動物実験ではミトコンドリアを酸化ストレスから守る可能性が指摘されている

 

まぁここらへんについてはまだまだ研究が必要な段階なんで、あくまで運動やプチ断食でミトコンドリアを刺激しつつ、お守りぐらいの感覚で試すのが良いかと思う次第です。いずれにせよ、私ぐらいの年代になると日に日にミトコンドリアは衰えていきますんで、注意しときたいとこですねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。