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人生のやる気がない?それなら映画だ!映画を観るのだ!みたいな研究の話

 

 

目標達成のやる気が出ない?それなら映画だ!映画を観るのだ!という、ちょっと珍しい研究(R)が発表されておりました。これはオハイオ州立大学の調査でして、オンラインで募集した1,098名の男女が対象になっております。

 

 

どんな調査かと言いますと、まずチームはIMDBから1985年以降に公開された映画から、とくに一般的な評価が高いものをピックアップ。それぞれのレビューに使われている言葉を分析し、「感動」や「意義深い」といった評価が高いものを20本選出したそうな。

 

 

でもって、ついでに「評価は高いけど意義深いとは思われていない」作品も20本選んで、これらの作品を参加者にランダムで見てもらったらしい(過去に見たことがあった場合は、その内容をあらためて思い出してもらったらしい)。ちなみに、研究用に選ばれた作品は以下のようになってます。

 

 

  • 深い意味が感じられる(と一般に思われてる)映画
    • ショーシャンクの空に
    • フォレスト・ガンプ
    • 幸せのちから
    • イントゥ・ザ・ワイルド
    • グリーンマイル
    • エターナル・サンシャイン
    • シンドラーのリスト
    • ビューティフル・マインド
    • 戦場のピアニスト
    • スラムドッグ$ミリオネア
    • グラン・トリノ
    • レインマン
    • グッド・ウィル・ハンティング
    • プライベート・ライアン
    • いまを生きる
    • ブレイブハート
    • ホテル・ルワンダ
    • ミリオンダラー・ベイビー
    • グラディエーター
    • カールじいさんの空飛ぶ家

 

 

  • 深い意味は感じられない(と一般に思われてる)映画
    • パルプ・フィクション
    • カジノ
    • ブラッド・ダイヤモンド
    • ディパーテッド
    • ザ・ビッグ・リボウスキ
    • ミスティック・リバー
    • ユージュアル・サスペクツ
    • キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
    • スナッチ
    • ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
    • ノーカントリー
    • ウディ・アレンの重罪と軽罪
    • トレインスポッティング
    • LAコンフィデンシャル
    • プリンセス・ブライド・ストーリー
    • セブン
    • Vフォー・ヴェンデッタ
    • シンシティ
    • ファイトクラブ
    • レミーのおいしいレストラン

 

 

ってことで、非常に異論が多そうなリストになってますね。個人的には「ファイトクラブ」や「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「ノーカントリー」あたりは「めちゃくちゃ意義深い!」と思ってるんで、深い意味がないと言われるとモヤりますね(笑 まぁあくまで一般的な傾向なので、しかたないところですが。

 

 

でもって、すべての参加者に「映画を見てどのような反応をしたか?」を尋ねまくったところ、こんな結果が認められました。

 

  • 意味の深い映画を見た人は、他の人よりも「映画が人生の困難を理解するのに役立った!」と答えた(例えば、「人生の苦難には理由があるんだなぁ」とか「困難な状況で勇気をもって処理できるようになった」みたいな答えが多かった)

 

  • 意味のある映画は、他の映画に比べて「人生のリアルを受け入れる助けになる」可能性が高かった(例えば、「楽しい経験も悲しい経験も人生に意味を与えてくれるものだ」や「利益も損失も人生の一部である」のように答える人が多かった)

 

  • 意味のある映画を見た人は、「より良い人間になろう」「人のために良いことをしよう」「人生で本当に大切なものを探そう」というモチベーションが上がる傾向があった

 

ということで、良い映画を見た直後はもちろんのこと、鑑賞から数年経ってから映画について思い出しただけでも、精神的なメリットが確認されたらしい。なんか分かりますな。

 

 

といっても、「深い意味がない」と判定された映画がダメだったわけではなく、研究チームいわく、

 

自分の価値観にそくした映画を思い出した人ほど、人生の困難をよりよく理解できるようになるようだ。この結果は、「深い意味がない」と分類された映画でも同じだった。そして、映画によるモチベーション改善のメリットは、何年も経ってから認識できるケースもあるようだ

 

ってことなので、別に本人の価値観にさえ適合していれば、たとえ世間的には「深くない」と思われてる作品でも十分な意義があるらしい。映画のメリットを認めるまでに数年かかることもあるってのは、ちょっとおもしろいっすね。

 

 

ということで、今回のデータを現実に活かすならば、

 

  1. まずは自分の価値観をはっきりさせる(詳しくは「最高の体調」とかを参照)

  2. その上で、価値観に適合したテーマを扱ってそうな映画に触れる

 

みたいな手順になるでしょうね。まぁ映画ってのは実際に見てみないとわからないとこが多いんで、そこは数をこなすしかない気もしますが。

 

 

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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