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感情を言葉にできる人は健康でメンタルが強い!を自己診断する20問

 

 

「無(最高の状態)」では「自分の心身の状態を言葉にできる人ほどストレスに強くいよー」みたいな話をしております。どういうことかと言いますと、

 

  1. ネガティブな感情がわいたが、それを「これは悲しみと怒りが混ざった状態だな」と言葉で把握する

  2. 脳が「はいはい、これは悲しみと怒りなのね」と了解して安心する

  3. ネガティブな感情が残りづらくなる

 

みたいな流れになってます。感情を言葉にすることで脳が処理しやすくなり、おかげでストレスが残りにくくなるわけですな。

 

逆に感情を言葉にできないと、

 

  1. ネガティブな感情がわいたが、それを言葉にできない

  2. なんか嫌な気持ちが残り続け、脳が「おこ何かがおかしいのでは?」と警戒し続ける

  3. ストレスがずっと残り続ける

 

といった流れで精神的な辛さがいつまでも消えないんですな。この状態を放っておくと、慢性的なストレスが身体にも悪影響を及ぼしまして、

 

  • なんだかずっとお腹の調子が悪い

  • 妙に息苦しい感じが続く
  • アレルギー症状が出たりする

 

といった症状が出てしまうことがあるんですよ。このような、感情を言葉にするのが苦手な人を「アレキシサイミア」などと呼びまして、このタイプの人は健康を損なうケースが多いってのは、いろいろと実証されてたりするんですよ。

 

 

で、一般にアレキシサイミアには複数のパターンがあると考えられてまして、代表的なのは以下の3つです。

 

  • 感情の特定が苦手:自分の感情がどこから来ているのかわからない、または、感情とそれに伴う身体的な興奮を区別できないタイプ。例えば、人前で話をする時に緊張しているが、「心臓がドキドキしているなー」ぐらいにしか気づけなかったりとか。

 

  • 感情の説明が苦手:自分の感情をうまく表現できないタイプ。人前で話すことに緊張していることを友人に伝えたいが、うまく言葉で表現できないせいで、自分の苦悩を相手に理解してもらえないことが多い。

 

  • そもそも考えるのが苦手:頭の中で「これは緊張感ではないか?」などと考えるよりも、「とりあえずスピーチしちゃう方が楽だな!」と思うタイプ。自分の緊張レベルを理解しないままスピーチに臨むので、本番であたふたしがち。

 

感情の判別が苦手だったり、言語化が苦手だったり、自分の内面を掘り下げるのが苦手だったりと、いろんな要素が重なりあって「自分の感情がわからない!」って問題につながってるわけですね。

 

 

こうなると「私はどれぐらいアレキシサイミアなんだろう……」ってとこが気になりますが、その点を調べるのに役立つのが「TAS20」ってテスト(R)であります。20の文章に賛成できるかどうかをチェックして、「私は感情を言葉にするのがうまいか?」を判断するテストになってまして、

 

  • 1(ほぼ当てはまらない)〜5(かなり当てはまる)

 

の5点満点で採点していただければ幸いです。

 

 

「感情を言葉にするのがうまいか?」を判断する20問

  1. 自分がどのような感情を抱いているのか、よくわからなくなる。
  2. 自分の気持ちを表す適切な言葉を見つけるのは難しい。
  3. 私は医者でも理解できないような身体的な感覚を経験することがある。  
  4. 私は自分の気持ちを簡単に表現することができる。★
  5. 問題を説明するだけでなく、分析することが好きだ。★
  6. 動揺していると、自分が悲しんでいるのか、怖がっているのか、怒っているのかわからない。
  7. 自分の体の感覚に戸惑うことが多い。
  8. なぜこのような結果になったのかを理解するよりも、物事が起こるままにしておく方が好きだ。
  9. 自分でもよくわからない感情がある。
  10. 感情をコントロールすることは重要だと思う。★
  11. 人に対する自分の気持ちを表現するのは難しいと思う。
  12. 人は私に自分の感情をもっと表現するように言う。
  13. 自分の中で何が起こっているのかわからない。
  14. 自分がなぜ怒っているのか分からないことが多い。
  15. 人と話すときは、感情よりも日々の活動について話したい。
  16. 心理的なドラマよりも、"軽い "娯楽番組を見る方が好きだ。
  17. たとえ親しい友人であっても、自分の心の奥底にある感情を明かすことは難しい。
  18. コミュニケーション中に沈黙があっても、相手の感情を身近に感じることができる。★
  19. 自分の感情を掘り下げることは、個人的な問題を解決するのに役立つと思う。★
  20. 私は映画や演劇に隠された意味を探そうとする。

 

採点

すべての採点が終わったら、★マークの点数を反転させたうえで、全体の平均値を出して見てください。1項目あたりの平均は約2.3で、だいたいの人は1.8〜2.8の点数をつけるケースが多めであります。とりあえず、平均値が2.5を超えていたら、もうちょい感情を言葉にするように心がけたほうがいいかもしれません。

 

 

ちなみに、上述したアレキシサイミアの構成要素ごとに採点する場合は、

 

  • 感情の特定が苦手:質問1、3、6、7、9、13、14の平均を出す
  • 感情の説明が苦手:質問2、4、11、12、17の平均を出す
  • そもそも考えるのが苦手:質問5、8、10、15、16、18、19、20の平均を出す

 

みたいになります。ただ、このテストについては、平均値をどうこう考えるよりも、「自分の弱点を把握するためのチェックリスト」として使うのがいいかもしれません。例えば、私の場合ですと、

 

  • 人は私に自分の感情をもっと表現するように言う。

 

がかなり当てはまってますんで、ここらへんは意識して強化したほうがいいんだろうなーとか思っております。皆さまもぜひご自分の弱点を探っていただければと思う次第です。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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