このブログを検索

カテキンで筋肉が増える?スローな筋トレで筋肉は増える?など運動に役立つデータ4選

 

 

なんか運動の改善に役立つデータがいろいろ出てたので、ガガッとまとめておきます。

 

 

茶カテキンで筋トレがはかどるんじゃないか説

緑茶に含まれるカテキンで筋肉が増えるんじゃないか?」って話(R)が出ておりました。カテキンといえば抗酸化サプリとして有名ですが、骨格筋にも良い影響があるんじゃないかってことですね。

 

 

ってことで、この試験は筋肉の減少に悩む高齢者54名を集め、全員に24週間の筋トレを指示。その際に全体を3つのグループに分けて、

 

  1. サプリメントを摂取しない

  2. 必須アミノ酸(EAA)3,000 mgを摂取する

  3. EAA 3,000 mgに加え、茶カテキン540 mgを摂取する

 

って感じでどんな違いが出るのかを見たらしい。すると、

 

  • 筋トレ+EAA+カテキングループは骨格筋量が3.47%増加した
  • 筋トレ+EAAグループは1.53%、筋トレだけのグループは1.49%だった
  • 握力やQOLの指標についてはグループの間で有意差はなかった

 

だったそうで、カテキンを飲んだグループは筋肉が増えたらしい。これはちょっとおもしろい結果ですな。

 

 

といっても、この研究ってのは、骨格筋量の測定に生体電気インピーダンス法を使ってまして、かなり誤差は出そうだよなーって印象っすね。また、実験の盲検化もされてないので、データとしては質が低めなものだとお考えください。まぁ私は普段からお茶からカテキンを摂取してるから、別にあらためてサプリを飲もうとは思いませんが。

 

 

 

ストレス対策ハーブ【ロディオラ】で運動のパフォーマンスは上がる?

このブログでは、ストレス対策ハーブとして、定期的にロディオラを取り上げております。

 

 

ロディオラはストレスや疲の対策に役立つ多年草で、主に疲労を軽減する能力が有名。抗酸化力の増加、エネルギー生産の強化みたいな機能があるんですが、新たに運動への効果を調べたデータ(R)が出ておりました。

 


これは健康な男女(19~30歳)に、ロディオラを飲みつつ運動してもらった試験10件をまとめた系統的レビューでして、そのうち8件が無作為化試験だったとのこと。実験の参加者は10~48人で、運動の初心者からアスリートまで幅広くふくまれてたそうな。

 

 

その他のポイントをざっくりまとめると、

 

  • ロディオラの使用量は1日170mg~1,500mg
  • 研究の半分は1時間から3日間の効果を調べ、残り半分は1週間から5週間を対象とした
  • 運動テストは筋トレから有酸素運動まで幅広く、運動パフォーマンスと回復の改善など様々なポイントをチェックした

 

みたいになってます。全体的には、ロディオラの種類、投与量、治療期間、運動の種類がバラバラなので、これで決定的な結論は出せないものの、多少の参考になりましょう。

 

 

で、結果としては、ロディオラを飲んだグループには以下の傾向が見られたそうな。

 

  • 運動の痛みおよび筋損傷が減った(クレアチンキナーゼなど)

  • 抗酸化パワーが強化
された

  • 運動のパワー出力が増加
した

  • ただし、炎症マーカーは減少しなかった

 

あくまでも慎重に解釈する必要がありますけど、こうして見ると運動用に使っても悪くなさそうな印象がありますね。

 

 

ちなみに、研究で使われたロディオラは、だいたい最低3%のロザビンと1%のサリドロシド(ロディオラの大事な成分)に標準化されてますので、サプリをご利用の方はここらへんを基準にお選びください。

 

 

 

 

スローな筋トレのほうが筋肉が増えるって本当?

筋トレで成果を出したいならボリュームが一番大事!」ってのが科学の結論なわけで、難しいことを考えたくないなら、とりあえずボリュームを増やすように気を配るのが一番であります。

 

が、さらに効果にこだわりたいなら、他にも重要な変数がいくつかありまして、よく言われるのが、

 

  • 筋トレをゆっくりやると効果が出やすいのでは?

 

みたいなポイントです。ダンベルやバーベルの上げ下げを、1回0.5秒ぐらいの高速でやるのと、1回8秒ぐらいの低速でやるのでは、後者のほうが筋トレの効果が出やすいんじゃないか?みたいな考え方ですね。

 

 

ということで、新しいデータ(R)は、筋トレのスピードで成果は変わるのか?ってとこを調べてくれてて有用でした。

 


これは筋トレ初心者の男性38名を対象にした調査で、年齢は18~35歳のあいだ。実験期間は10週間で、全体を3つのグループに割りつけてます。

 

  1. 3秒のテンポで筋トレ=ベンチプレスを上げる動作と下げる動作に、それぞれ1.5秒を使う。

  2. 6秒のテンポで筋トレ=ベンチプレスを上げる動作と下げる動作に、それぞれ3秒を使う。

  3. コントロール=筋トレはしない

 

トレーニングの内容はスミスマシンを使ったベンチプレスで、1セットあたり36秒を使い、セット数は3~4のあいだで、強度は1RMの50~55%を使ったとのこと(セット間の休息は3分)。

 

 

でもって、10週間のトレーニング期間の前後に、腕の力こぶと胸のサイズを調べてみたら、結果はこんな感じになりました。

 

  • 3秒だろうが6秒だろうが、大胸筋と上腕三頭筋は同じように発達した。

 

  • 筋力に関しても結果は同じで、3秒だろうが6秒だろうが差はなかった。


だったそうです。こうして見ると、筋トレのスピードを倍にしてみても、あんまメリットはなさそうですね。

 

まー、これについては「もっとスピードを遅くすれば効果があるのだ!」みたいなご意見もあるでしょうが、2020年に出た調査(R)でも、10秒間を使う極端にスローな筋トレは逆に筋肉の発達を阻害する!って結論がでてたりしますし、2015年のメタ分析(R)でも「0.5秒と8秒の筋トレを比べても筋肉の成長に違いはない!」という結論なので、やっぱあんま意味ないのかなーって感じですね。



 

タウリンとカフェインで運動のダメージを減らせるか?

タウリンとカフェインで運動のダメージは防げるか?」ってのを調べたデータ(R)が出ておりました。タウリンとカフェインはエナジードリンクに含まれる成分で、サッカーみたいな激しい運動で受けた筋肉や肝臓のダメージを軽減できる可能性があるんですよ。

 

 

ってことで、このランダム化比較研究では、22人のエリートサッカー選手(平均20歳)を集め、90分の試合を行う前に、カフェイン75mgとタウリン1,000mgを含むエナジードリンクまたはプラセボ飲料を1日2回ずつ、5日間続けて摂取してもらったそうな。

 


でもって、試合の前後や試合から24時間後などに血液をチェックしてみたら、

 

  • 
エナジードリンクを飲んだ場合は、試合後24時間の筋肉ダメージ(CKとLDH)と、肝臓ダメージのマーカー(AST、ALT、ALP)が低下した

 

って結果だったようで、それなりの効果がありそうな雰囲気が漂ってますね。あくまで小規模な実験なので、運動後はカフェインとタウリンだ!ってわけにはいかないものの、やっぱタウリンって意外と有望だよなーとは思いましたね。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。