つい買い物をしまくって人生が壊れる「買い物依存」はどう立ち向かえばいいのか?
「なんかつい買い物をしちゃう!」ってことは誰でもあるでしょうが、アイオワ大学の先生が出したレビュー(R)では、「買い物依存」ってどう対処すればいいの?って問題をあつかってて勉強になりました。
まぁネットでつい衝動買いするぐらいなら問題ないんですけど、これが慢性的になると「買い物依存」になるんで注意したいところです。これは、なんかモノを買ったり、お金を使うことに夢中になっちゃう状態で、最近ではギャンブル依存症などと同じような、行動依存症の一種として扱われてたりします。
具体的に、買い物依存がどんな状態を意味するのかと言いますと、
- 商品を買いたくなる衝動が抑えられない
- 予想していたよりも多くの時間やお金を買い物に費やしてしまう
- 商品を買ったのに、意図した目的には使わない
- 良い気分になるために買い物をする(あるいは緊張や退屈をやわらげるため)
- 買い物の結果、否定的な結果や感情を経験する(罪悪感、恥、借金など)
- 買い物をやめようとすると、否定的な気分や考えが出る(不安、焦燥感、怒り、心配など)
- 否定的な結果にもかかわらず、買い物がやめられない。
みたいになります。とにかく、買い物がやめられないせいで、自分の感情と私生活に問題が起きちゃうわけですね。これが高じると、借金、破産、さらには万引きなどの犯罪につながったりするんで、なんとも怖いもんです。
日本でどれぐらい買い物依存がどれぐらいるかはわからんですが、アメリカだと全人口の2〜8%と推定されてるそうな。こう考えると結構な数がいるもんですな。
ちなみに、こういった問題が起きる原因はいろいろあるんですけど
- 子供の頃に親から虐待やネグレクトを受けている
- 感情的に反応しない親に育てられた
- 最初は金持ちだったのに、途中で貧しくなった家庭で育った
-
不安障害や気分障害などのメンタルの問題がある
といったあたりが指摘されておりました。要するに、買い物依存ってのは、ショッピングによって自尊心を高め、失われた重要性を獲得するための代理行動なわけっすね。ここらへんは、依存まではいかない人でも、ショッピングの際にはつきまといやすい心理でしょうな。
それでは、買い物依存はどのようにやわらげればいいのか?ってとこが気になりますが、薬物療法などもよく使われるものの、
- 集団心理療法がもっとも有望な治療法だよ!
ってのがいまのところの結論らしい。これは認知行動療法(CBT)のテクニックを使うテクニックで、たとえば、「ヤバい買い物をしてしまうトリガーの特定」「ストレス管理」といった方法が使われるそうな。気になる方は、「認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで」などをチェックして、考え方だけでも押さえておくのが良さそうっすね。
といっても、自分が買い物依存かどうかを自己診断するのは難しいと思うんで、 自分のショッピングについて「買い物のせいで人生の満足度が下がってないか?」とか気になる場合はセラピストに相談してみてください。「自分の買い物は治療の対象なのだ!」と気づけるだけでも、だいぶ違うとは思うんで。
また、頻繁に買い物をしちゃったり、お金をたくさん使ったりするのは誰にでもあることで、必ずしも依存症ってわけではないので、その点もご注意ください。実際、「ボーナスが出たから爆買いした!」レベルならよくある話で、あくまで慢性的に買い物へ依存しちゃうのが問題なので。どうぞよしなにー。