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【質問】結局、白い砂糖ってどこまで体に悪いのですか?


 

こんなご質問をいただきました。

 

白い砂糖が体に悪いというのはよく聞くし、本当なんだろうなと思うのですが、砂糖ってスープ、パン、生肉、ケチャップなんかにも入ってますよね。これだと砂糖を摂らないのは無理なように感じます。砂糖は実際にどれぐらい体に悪くて、どのように付き合うのがいいのでしょうか?

 

ということで、砂糖はどれぐらい体に悪いのか?というところですね。確かに、精製糖の問題はこのブログでも書いてきたものの、あまりに基本的なポイントなので、まとまったエントリにしたことはなかったことはなかったっすな。

 

 

で、結論から言えば、白い砂糖を少なくするにこしたことはなく、砂糖を摂りすぎると以下のような問題が起きやすくなります。

 

 

 

砂糖がもたらす6つのダメージ

1. とにかく見た目が悪化する

白い砂糖が多く摂ると、体内で糖とタンパク質が反応してAGEsって化合物が生まれ、これらがコラーゲンとエラスチンを傷つけ、皮膚が伸びてたれちゃったり、シワにつながったりするんですよ(R,R)。ある研究でも、高タンパク低炭水化物食の女性よりも、加糖を含む炭水化物を多く摂取している女性の方がシワが多かったそうで(R)、研究チームは、糖質の摂取量が少ないほど肌の老化の見た目は良くなると結論づけておられます。

 

また、砂糖が多い食事は、ニキビの発症リスクを上げる傾向もあるので、こちらも注意したいところ。砂糖は血糖値とインスリンレベルを急速に上昇させ、アンドロゲンと皮脂の生産、炎症を引き起こし、これらがすべてニキビの発生リスクを上げるんですよ(R)。一例としては、10代の若者2,300人を対象とした研究では、砂糖を頻繁に摂取する人は、ニキビを発症するリスクが30%高いと報告されてたりします(R)。

 

 

 

2. なにせ太る

砂糖ってのは満腹感を与えてくれないところがありまして、そのせいで甘い菓子や清涼飲料水では空腹を抑えるのが不可能。そのせいで、どんどんハイカロリーの食品を摂取しがちになり、これが体重増加につながるんですよ。

 

事実、ソーダやジュースなどの甘い飲料を飲む人は、飲まない人に比べて体重が増えることが一貫して示されてますし(R)、内臓脂肪の量が増加することも分かっております(R)。

 

 

 

 

3. 心臓病のリスクも激しく上がる

高糖質な食事は、心臓病のリスク上昇と関連しております。砂糖が多いと、肥満、炎症、中性脂肪、血糖値、血圧の上昇につながりまして、これらがすべて心臓病のリスクをあげちゃうんですよ(R)。

 

砂糖と肥満の関係はいまさら言うこともないですが、たとえば3万人以上を対象とした研究(R)では、総摂取カロリーの17〜21%を加糖から摂っている人は、同じ数字が8%な人と比べて、心臓病で死亡するリスクが38%も高かったそうな。

 

ちなみに、500mlの清涼飲料水にはだいたい50グラムぐらいの砂糖が含まれてまして、これは1日に2,000カロリーの食事をした場合、1日の消費カロリーの10%以上に相当しちゃったりします。そう考えると、「総摂取カロリーの17〜21%が加糖」ってラインは一瞬で超えちゃいますな。

 

 

 

4. 癌のリスクも高めるかもねぇ

砂糖の過剰摂取は、特定の癌の発症リスクを高める可能性もあったりします。具体的には、砂糖で肥満が起きると、それが癌リスクの上昇につながりますし(R)、さらに砂糖の多い食事は体内の炎症を増やし、インスリン抵抗性を引き起こす可能性があり、どちらも癌のリスクを高めるんですな(R)。

 

まぁ、砂糖と癌の関係については研究が必要なんですけど、430,000人以上を対象とした研究(R)では、砂糖が多い人ほど食道癌、胸膜癌、小腸癌のリスク上昇と正の相関が報告されております。これも注意するにこしたことではないっすね。

 

 

 

5. メンタルを低下させる可能性もあるかもよ

砂糖が多い食事は、鬱病の発症リスクを高める可能性も指摘されております(R)。ここらへんも、まだよくわからないところなんですが、一般には、血糖値の変動や炎症の問題がメンタルに悪影響を与えているかも?と言われております。

 

具体例としては、8,000人を22年ほど追いかけた調査(R)によると、1日に67グラム以上の砂糖を摂取する男性は、1日に40グラム以下の男性よりも鬱病の発症率が23%ほど高かったそうな。

 

 

 

6. 疲れやすくなるかもよ

砂糖を多く含む食品は、血糖値とインスリンレベルを素早く上昇させ、エネルギーを一時的に増加させます。が、これはあくまで一時的なものなので、その後すぐに血糖値が急激に下がってクラッシュが起きたりします(R)。これが続くと疲れてしまうばかりなので、このサイクルを避けるためにも食物繊維をがっつり摂取しておきたいところですね。

 

 

 

安全な砂糖摂取量のガイドライン

ということで、いろいろ砂糖の問題を書いてきましたが、決して「砂糖は悪魔だ!」「砂糖を殲滅せよ!」みたいな話じゃないので、その点はご注意ください。あんま砂糖にビビりすぎると、それはそれで健全ではないもんで。

 

 

では、実際にどれぐらい砂糖を怖がるべきかってとこですけど、

 

  • WHOは遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の5%未満にすると、体調がよくなるよー(だいたい砂糖小さじ6杯程度(約25g)ぐらいのイメージ)

 

ってラインが参考になるでしょう。日本ではまだ目標量が決められてないので、とりあえずWHOの言ってることを守るのがよいのではないでしょうか。

 

 

さらに年齢ごとの目安を示しておくと、

 

  • 大人は1日に遊離糖30g(角砂糖7個分)を超えないように注意する。

  • 7歳から10歳の子供は、1日に24g(角砂糖6個分)以上の遊離糖は摂らないように注意する。

  • 4歳から6歳の子供は、1日19g(角砂糖5個分)以下の遊離糖を摂取するのが望ましい。

 

ぐらいになります。こうなると、たとえばコーラ1缶には角砂糖が9個ぐらい入ってるんで、いきなり大人の1日の推奨摂取量を超えちゃうわけですね。

 

 

あと、そう言うと「フルーツとか野菜とか牛乳にも糖分はいってるけどどうなの?」って疑問もわくでしょうが、これについては別に気にしなくてOKです。あくまでも後から食品に添加された糖に気をつけてねーって話なので。どうぞよしなにー。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。