習慣化が得意な人たちがみんなやってる「3つのE」フレームワークってなんだろう?
健康にせよ勉強にせよ、なんらかの目標を達成したいと思ったら「習慣化」が必須。人間の意志の力はとても弱いため、習慣の力で行動をオートメーション化しないと、ほとんどの場合は失敗に終わってしまうんですよ。
が、頭ではそれが正しいとはわかっていても、どうしても新しい運動や食事法を習慣づけるのは難しいもの。そこで今回は、エンヴィジア・ラーニング社の心理学者であるケネス・ノーワック博士が提唱する習慣化のプロセスをご紹介しましょう(R)。
博士は習慣化のプロセスを「3つのE」というフレームワークにまとめていて、具体的には以下のようになります。
- Enlighten(自己認識する)
- Encourage(行動を促進する)
- Enable(可能にする)
このフレームワークは、博士が過去の目標達成や習慣化に関する文献を大量にレビューし、そのうえですべてに共通するポイントをピックアップして集約したものです。簡単に言えば、「習慣化が得意な人たちは、だいたい3つのステップを意識しながら行動するのがうまいよー」という話で、私たちが習慣化を行う際にも十分役立つ内容になっているんですな。
では、博士が提唱する「3つのE」を見てみましょうー・
1. Enlighten(自己認識する)
まずはじめの段階では、自分が現在どのような状態にあるのかを認識する作業を行います。具体的には、以下のような質問について考えてみるといいでしょう。
- この行動を習慣にして得られるメリットはなんだろうか?
- この行動を習慣にするために使える自分の強みはなんだろう? 逆に、習慣化のじゃまになりそうな弱みはなんだろう?
- 習慣化のじゃまになりそうな外部の要因はなんだろう?(親の干渉とか、時間がないとか)
この段階で大事なのは、実際に行動を起こす前に、自分の現在地を確かめるところです。言われてみれば当たり前なんですが、当たり前すぎて多くの人がすっ飛ばしてしまいがちなのも間違いないでしょう。
が、自分の現在地がわからないと、そもそもどこに向かっていくべきかが理解できないのは当たり前の話。このステップは確実にこなしておきたいですね。
2. Encourage(行動を促進する)
このステップでは、習慣化に向けての実行プランを立てたうえで、そのプランについてじっくり考えてみます。具体的には、以下のような質問について考えてみるといいでしょう。
- 自分が作ったプランは実行が可能なものになっているだろうか?
- そのプランを実行するじゃまはなんだろうか? そのじゃまを取り除くためにどんなことができるだろう?
- 1日の単位で積み重ねることができるものはなんだろうか?(ブログ1記事を書くとか、野菜の量を200g増やすとか)
この段階で大事なのは、いかに具体的で実行が可能な実行プランを作ることができるかどうかです。
「1日単位で積み重ねられるものは?」って質問に対して、「もっと激しい運動をする」ぐらいのプランを作るのはダメで、「タバタ式HIITをハイニーとバーピーのくり返しで1日1回」といったレベルまで考えねばなりません。もちろん、この際に「本当に毎日HIITをやるだけの体力があるのか?自分の体力が習慣化のじゃまになってないか?」と考えてみるのも有用であります。
3. Enable(可能にする)
最後のステップでは、実際にプラン実行をしたうえで、その成果について考えていきます。具体的には、以下のような質問について考えてみるといいでしょう。
- 結局、プランの成功率はどれぐらいだっただろうか?
- プランをこなすことで、どのようなスキルと経験がどれぐらい身についただろうか? その成果は、ステップ2で考えたレベルを満たしているだろうか?
- このままプランを継続するべきだろうか? それとも、なにか変化を加えるべきだろうか?
この段階で大事なのは、実行プランが本当に実行可能なレベルで設定されていたかを確かめ、そのうえで今後のプランを変えていくかどうかをチェックするところです。最初のうちはプランが失敗するのは普通のことなので、このステップを入れておかないと、すぐに「自分はダメだ!」とか考えて、あきらめてしまいがちなんですよね。
ってことで、ざっくり見てきましたが、世の中で言われる「習慣化のテクニック」ってのは、せんじつめればこの「3つのE」のステップに集約されるのは間違いないでしょう。どんなテクニックを使うにせよ、なにか習慣化をしたいときは、以上のステップを意識してみるといいかもしれませんねー。