このブログを検索

今週末の小ネタ:最強のHIITとは? ダイエットがリバウンドするのは加工肉のせい? 絵文字でモテる?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

 

最強のHIITのやり方ってどんな感じ?

毎度おなじみHIITの小ネタでございます。これはメイヨー・クリニックなどの調査(R)で、「HIITのやり方っていろいろあるけど、そのなかで最強のものはどれなの?」みたいなのを調べたメタ分析になります。

 

 

すごーくざっくり言うと、

 

  1. HIITの効果を調べた過去の研究をピックアップし、VO2 max(体力の指標)の最大の改善を示した9つの研究と、最小の改善を報告した9つの研究を分離する。

  2. どのようなHIITがもっともVO2 maxが改善しやすいのかを調べる。

 

みたいになります。とにかく過去のいろんなHIIT研究を調べて、どんなやり方がベストなのかをチェックしたわけです。

 

 

その結果わかったのは、以下のようなことです。

 

  • 最も効果があったのは、3~5分の長いインターバルを使用したHIITである!(っぽい)

 

3~5分の長いインターバルを使う手法は、俗に「ヒックソン・プロトコル」と呼ばれるもので、だいたいのやり方を見てみると、こんな感じになります。

 

  1. 自分のVO2maxに近いぐらいの強い負荷で、1回3〜5分間だけ全力で運動をする。

  2. 3〜5分の全力運動が終わったら、2分間のアクティブレストをする(軽いジョギングとか)。

  3. 上記のセッションを6回ほどくり返す。

 

1回3〜5分間の全力運動ってのはかなり精神的に辛いでしょうが、どうやらこいつを続けることで、VO2maxの最大の増加が見込めるんだそうな。うーん、辛い。

 

 

ちなみに、このやり方を試してみたい人は、自分のVO2maxを以下のように計算してみてください。

 

  1. 最大心拍数= 208 - (0.7 x 年齢)」って式を使い、自分の最大心拍数を推測する

  2. 「15x最大心拍数/安静時心拍数」って式を使い、自分のVO2maxを推測する

 

みたいになります。安静時心拍数は、ベッドで寝転んだ状態で手首に指などを置いてカウントするといいでしょう。あくまでざっくりした推測値ですけど、このやり方が一番ラクなはず。

 

 

さらに余談ですが、このやり方について調べたオリジナル研究では、「あまりにも辛すぎるせいで、多くの参加者はプログラムの途中でトレーニングの継続を断念したよ!」と報告されてたりします。そのうえで、研究チームは「VO2maxの上限に達するトレーニングプログラムを続けるのは、たいていの人にとって非現実的である」と結論してますんで、そこらへんはご注意くださいな。

 

 

 

 

ダイエットがリバウンドするのは加工肉のせい?

ダイエットがリバウンドするのは加工肉のせいじゃない?」ってデータ(R)が出ておりました。これはコペンハーゲン大学などのチームによる研究で、「PREVIEW研究」という大規模な健康データを解析したものです。

 

 

このデータには、カロリー制限でダイエットに成功した人たちの情報が入ってまして、みんなが「どれぐらいリバウンドしたか?」「どんなものをよく食べていたのか?」などを調べることができるんですよ。そこで、このデータをもとに、リバウンドと食事の関係をチェックしたところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • 1日の加工肉の摂取量が10g増えるごとに、体重が1年ごとに0.18kgぐらいリバウンドする

 

  • 1日の魚介の摂取量が20g増えるごとに、体重が1年ごとに0.01kgぐらい減る

 

  • 加工肉を、乳製品、鶏肉、魚介類、卵などに置き換えると、リバウンドはそこそこ防げるかも

 

ということで、加工肉を食べると、結構なペースで体重が増えていくかもしれないらしい。これは嫌だなぁ……。

 

 

まー、あくまで観察研究なので、なんで加工肉でリバウンドするのかは謎なんですけど、研究チームは「加工肉のせいでAGEsが増えるからじゃない?」と推測しておられます。AGEsのせいで身体にいろんなダメージが起きて、そのせいで体重が増えてしまうんじゃないかってことですね。

 

 

これはまだよくわからんポイントではありますが、ダイエットを成功させるためにも、加工肉には気を配っておいたほうがいいでしょうねー。

 

 

 

 

絵文字でモテる?

インディア大学などのチームが「絵文字を使ったらモテるのでは?」みたいなデータ(R)を出しておりました。

 

 

これは13〜94歳の男女5,327人を対象にした調査で、どんな研究だったかというと、

 

  1. 気になる相手とメッセージでやり取りをする時に、絵文字をどれぐらい使うかを聞く

  2. 絵文字を使う場合は、それをどんなモチベーションで使うのか聞く

  3. みんながどのようなデートをしているのかも尋ねる

 

みたいになります。普段の絵文字の使用回数によって、意中の相手との関係性に変化が出るのかをチェックしたわけですな。

 

 

その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 参加者の30%ぐらいが絵文字をよく使っていた。
  • たいていの人は、絵文字を使う理由を「自分をうまく表現できる」と答えた。
  • 絵文字をよく使う人は、絵文字をあまり使わない人よりデートの回数が多かった。
  • 絵文字をよく使っても初デートの成約率は上がらないが、2回めのデートの成約率は上がる

 

だそうです。つまり、少し気心がしれた相手に対しては、メッセージで絵文字をよく使う人ほどモテるんじゃないか、と。ほほーう。

 

 

では、なぜ絵文字を使うとモテやすいのかと言いますと、

 

  1. 絵文字を使うと、簡素な文面よりは親密な感じが出る

  2. それにより、2回めのデートをしたいと思う気持ちが高まる

 

といった感じです。まぁただシンプルな文章を並べるよりは、絵文字を使ったほうが距離が近い感じは出せますもんね。私のようなオッサンは、つい絵文字の使用をためらってしまうんですが、仕事でも使うべきなのだろうか……。

 

 

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM