今週半ばの小ネタ:やっぱサラダから先に食べると健康にいいかも、クレアチンは運動の回復にも効く、ワイルドブルーベリーで脳が改善
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
やっぱサラダから先に食べると健康にいいかも!
「食事は食べる順番が大事!」って考え方は昔からあって、「サラダから先に食べましょう!」みたいなアドバイスをよく聞くわけです。個人的には、食べ順ダイエットとかは無意味だろうがと思ってますが、食事の食べる順番が血糖値や体内の脂質に影響をあたえるのは確かなので、健康法としてはアリではないかとも思ってたりします。
といったところで、神奈川歯科大学の先生方が、食べ順の健康効果を調べる研究(R)をしてくれておりました。米やパンよりも野菜から先に食べた場合に、どのようなメリットを得られるのかをチェックしてくれたわけですね。
これは238人の男女を分析した調査で、みんなに「食事のときに、野菜→肉/魚→主食(米たパンなど)の順番で食べてます?」とアンケートを取ったうえで、全体を「食べ順実践派」と「食べ順無視派」のいずれかに分類。このデータを、みんなの栄養素摂取量と比べたんだなそうな。
すると、やはり食べ順には相応のメリットがあったようでして、
- 「食べ順実践派」は、「食べ順無視派」よりもBMIが低く(22.7 vs 24.2)、残っている歯の数が多い(25 vs 23本)。HbA1c(糖尿病リスクの指標)には有意差がなかった。
- 「食べ順実践派」は、「食べ順無視派」よりも炭水化物の摂取量が少なく、食物繊維の摂取量が多かった(1日8.11g vs 7.29g)。タンパク質については違いがなかった。
- 「食べ順実践派」は、「食べ順無視派」よりもビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛の摂取量が多かった。
という結果だったそうです。サラダから食べる人のほうが栄養状態がいいよーってことでして、理由は不明ながらおもしろい結果ですねー。
もちろん、これは横断研究なので「食べ順を守れば栄養状態が改善!」とは言えないし、参加者の年収といった要素を調整していないので、そのあたりはご注意ください。とはいえ、野菜や肉や魚から食べ始めることで、体内の栄養状態が改善される可能性はありますんで、手軽な食事ハックとして実践してみて損はないんじゃないでしょうか。
クレアチンは運動の回復にも効く
当ブログでは最頻出サプリのひとつである「クレアチン」に、今度は「クレアチンは疲れも取れるし、筋肉の状態も改善するしで、いいことだらけだ!」みたいなニュースリリース(R,R)が出ておりました。
いちおうおさらいしておくと、クレアチンはアミノ酸の一種で、「筋力アップ!」とか「運動パフォーマンスが向上!」といった効果に定評があり、私も1日5gずつ飲み続けております。
で、今回の試験は大正製薬などの先生方によるもので、まず結論から言いますと、
- 1日3gのクレアチンを28日間飲み続けると、運動の後の疲れ、筋肉の張り、筋力の低下がやわらぐぞ!
みたいになります。クレアチンは運動のパフォーマンス改善に効くだけでなく、運動後の回復にも使えるんだって話ですね。
これは健常な男性20人を対象にした試験で、そのうち半分にはクレアチンモノハイドレートを、残り半分には結晶セルロース(プラセボ)を、1日3gずつ、28日間続けて飲んでもらったそうな。でもって、その後に、筋力や筋肉の硬さを紹介したところ、
- クレアチンを飲んだグループは、筋トレ後の筋肉の硬さが改善! 筋肉の疲労感も改善! 筋力の回復スピードもアップ!
という感じだったらしい。私のようなおっさんは、どんどん筋肉が硬くなっていって、肉離れを起こしやすくなっちゃいますんで、硬さがやわらぐってのはありがたいですねー。
ということで、クレアチンは運動のパフォーマンスアップのみならず、運動後の回復にも効きそうだぞってことで、ますます必須サプリになってきた気がしますねー。
ワイルドブルーベリーで脳が改善
ブルーベリーも、このブログで頻出する食品のひとつ。なにせ抗酸化力が高いので、血管の若返りやメタボの改善といったメリットを得られる可能性が高いんですよ。当然、私も毎日のように口にしております。
で、新たなデータ(R)もブルーベリーにまつわる研究で、こちらも結論から申し上げますと、
- ワイルドブルーベリーを食べると、高齢者の脳が改善!
みたいになります。ワイルドブルーベリーのパウダーを12週間毎日食べた高齢者は、脳の血管が若返り、認知テストの成績が向上したというんですな。ポリフェノールが脳に良いって説は昔からありましたが、あらためて支持されるデータが出てきた感じですね。
この研究で使われたワイルドブルーベリーには、プロシアニジン、フラバノール、フェノール酸、アントシアニンといったナイスな成分が豊富なので、思考力や記憶力が改善してもおかしくないわけです。
これは、健康な高齢者(65歳から80歳)61人を対象にしたもので、そのうち半分のグループには「26gのフリーズドライワイルドブルーベリーパウダー(生のワイルドブルーベリー178gに相当)を提供。このパウダーには、アントシアニンが302mg含まれていたそうな。一方で、残り半分のグループには、食物繊維とビタミンCだけを含む偽パウダーを配り、プラセボ群に設定したとのこと。
そのうえで、12週間後の様子をチェックしたところ、
- ワイルドブルーベリーの粉末を飲んだグループは血管の機能がはるかに大きく改善!24時間の最高血圧も、ブルーベリーグループのほうが低かった。
- さらに、ブルーベリーを飲んだグループは、単語を思い出す能力と注意を切り替える能力が向上した。ただし、その他の測定ではそれほどの差が認められなかった。
って感じだったそうです。あくまで高齢者を対象とした試験なので、それより下の世代でも同じ変化が見られるかは謎ながら、認知に問題のない人たちの脳機能が上がったあたりは、個人的にちょっとうれしいポイントですね。