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「いま、“男性型うつ病”がヤバい!」ってデータの話

 


いま、“男性型うつ病”がヤバい!」ってデータ(R)が出ておりました。

 

男性型うつ病ってのは、一般的なうつ病のサブタイプとされてまして、

 

  • 他人に攻撃的な態度を取る

  • プライドが低下しそうなものごとを避ける

  • できるだけ感情を抑制しようとする

  • リスクの大きなことをあえてしようとする
  • 酒や薬物などでストレスを嫌そうとする

 

といった問題が起きやすく、そのせいでメンタルを病んでいくのが特徴。“男性型”と言っても男性だけに起きるわけではなく、男性的な振る舞いを求められる女性にも起きやすい問題だとされております(一人で家族を育てながらキャリアを追求しようとして、慢性的な仕事のプレッシャーにさらされるシングルマザーとか)。

 

実際、“男性型うつ病”ってのは、以下のような概念やルールに固執する人ほど発症しやすい傾向があったりします。

 

  • 支配と権力を持つ者がえらいのだ!
  • 感情はコントロールしなければならない!
  • なによりも仕事を優先すべきなのだ!
  • 働けば働くほどえらいのだ!
  • リスクを積極的に取るべきなのだ!
  • 人はみな自立すべきなのだ!
  • 他人に助けなど求めてはいかんのだ!
  • 成功!成功!成功!

 

ということで、ざっくり言えば、昔ながらの“男らしさ”へのこだわりが生む精神的な問題って感じですね。「感情はコントロールしなければならない!」と思っていたら、いつまでもネガティブな感情は消えないはずなので、これがメンタルによくないのは当然でしょう。

 

今回の研究も“男性型うつ病”のヤバさを調べていて、163人の参加者を集めて、MDRS-22ってテストで全員の男性型うつ病レベルとライフスタイルを測定。このデータを、メンタルが健康な176名と比べたところ、男性型うつ病にハマっている人は、男性型うつ病でない人よりも、

 

  • 年齢が若い
  • 労働時間が長い
  • 結婚している可能性が低い
  • うつ病のスコアも高い
  • 鎮静剤の使用率が低い
  • アルコール、タバコ、大麻、幻覚剤などをよく使う
  • 暴飲暴食の確率が大きい
  • 医療や精神科を利用しない

 

って傾向があったらしい。“男らしさ”へのこだわりがオーバーワークを生み、そのプレッシャーを酒やタバコで散らすだけで、外部に助けを求めないせいで、いよいよメンタルがやられてしまう悪循環が見て取れるんじゃないでしょうか。

 

そんなわけで、似たような傾向がある方は、ぜひ男性型うつ病にご注意ください。自分が男性型うつ病にハマっていないかどうかは、この調査で使われた「MDRS-22」の質問に答えてみると良いでしょう。

 

 

MDRS-22男性型うつ病リスク尺度

前の月を振り返ってみて、以下の状態がどれくらいの頻度で起こりましたか?

「0=まったくない〜3=半分弱〜4=半分強〜7=ほとんどある」の7点満点で採点してみてください。

 

  1. ネガティブな感情を溜め込んだ。
  2. 困難を隠蔽した。
  3. いつもより多く酒を飲んだ。
  4. 危険な運転をした。
  5. いつもより胸焼けがした。
  6. 頭痛が定期的にあった。
  7. 胃が痛かった。
  8. 自分だけで困難を解決する必要があった。
  9. 原因不明の痛みがあった。
  10. リラックスするためにアルコールを必要とした。
  11. アルコールを手近なところに置くようにした。
  12. 攻撃的な相手に過剰反応した。
  13. ドラッグを求めた。
  14. 自分の行動の結果を気にしなくなった。
  15. 酒を飲んで嫌な気分が消えたことがあった。
  16. 不必要な危険を冒した。
  17. 気分が落ち込むのを無視しようとした。
  18. ネガティブな気分に薬で対処した。
  19. 挑発されたわけでもないのに、他人に暴言を吐いた。
  20. 他人に攻撃的な言葉を使った。
  21. 怒りをコントロールするのが難しかった。
  22. 薬を使うことで一時的に楽になった。

 

採点が終わったら、すべてに点数を合計してください。男性型うつ病のリスクは、以下のように判断します。

 

  • 0~31=低リスク
  • 32~50=中リスク
  • 51~86=高リスク
  • 87以上=極度のリスク

 

もちろん、このテストは私が勝手に翻訳したものだし、あくまで教育目的で作られた者なので、そこまで激しい信頼は置かないようにしてください。自分がなんとなく鬱っぽいと感じたら、すぐに専門家を訪ねるのが一番ですんで。

 

とはいえ、上記のテストを読んでみると、なんとなく「男性型うつ病になりやすい人」の典型例は見えてくるはず。なにか思い当たるところがあれば、注意しておいていただけると幸いです。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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