甘い食べ物は本当に心を癒してくれるのか?
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「ケーキを食べるとストレスがやわらぐ」とか「甘いものを食べるとホッとする」なんて話を聞いたりしますが、そのへんの真偽を確かめたのがヘルスサイコロジー誌に出た論文(1)。
実験では、まず被験者たちに18分の「不安をかきたてる動画」(詳細は不明。「リング」の呪いのビデオみたいなもんですかね)を見てもらいまして、その後で、以下の3パターンの行動をとってもらったんですね。
- 甘いものを食べる
- 普通の食事をする
- 何も食べない
すると、「甘いもの」を食べた被験者は、気分がグンと良くなったというんですな。が、この研究にはオチがありまして、実は、普通の食事をした人も何も食べなかった人も、同じように気分が回復してたんだとか
研究者いわく、
わたしたちは、甘いもので気分が良くなると考えがちだが、他に食べ物(または何も食べない)よりも効果があるわけではない。
とのこと。こういった現象が起きるのは、人間の心に「免疫機能」が備わっているから。「明日の幸せを科学する」 で有名なダニエル・ギルバート博士によれば、人間はたいていの悲劇(彼女にフラれたとか面接に落ちた)を過剰に見積もりすぎで、たいていは「免疫機能」のおかげで自然とネガティブな感情から脱することができるんだとか(2)。
つまり、甘いものを食べて気分が良くなるのは錯覚で、たんに何もせずにじっとしてるだけでも、自然と気分は元に戻るわけですね。人間の体には、コレストロールを自動で調節したり、適切な体重をキープしてくれるセットポイント機能がついてますけども、精神にも似たようなメカニズムが備わっているんですなぁ。ありがたいことです。
credit: Zeren Badar via FindCC